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第五弾
蓮の本当の思い ②
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「真司は…子供が好き?」
「??それ、関係あるの?」
「うん」
さっきまで真司の方を見なかった蓮が、今度は真司の目を真剣な眼差しでしっかり見つめる。
「うん。好きだよ」
「…じゃあ、真司のお母さんは、子供好き?」
「保育士をしてたからね。好きだと思うよ」
「保育士さんしてたんだね。やっぱり、真司もお母さんも子供が好き…」
「…」
蓮は意を決したように、大きく深呼吸をしてから、
「……ねえ真司…これからずっと俺と一緒にいたら、将来、自分の子供と出会える事は無理だよ」
なんだよそれ‼︎
「‼︎それを言うなら、蓮だって同じじゃないか」
さっきまで穏やかだった真司の声がキツくなる。
「俺はいいんだよ…女の人を好きになれないって気付いた時から、自分の子供とは会えないと思ってる。でも、真司は違う。これから先、自分の子供と会えるかもしれない。それは真司のお母さんだって同じだよ。真司の子供に会えるかもしれない。だから…」
「だから何?それって俺と蓮が将来一緒にいないってこと?蓮、俺怒るよ」
真司の声がさらにキツくなる。
どう言う事だよ蓮。
俺と別れるつもりなのか⁉︎
「可能性の問題だよ」
真司とうってかわって蓮は冷静だ。
「俺、ずっと怖かったんだ…真司を愛してる気持ちは変わらない。だけど、それは俺の勝手な思いで、本当に真司のためになってるのか…って…」
「どう言う意味?」
「俺といる事で、今、まだある同性愛の偏見の中に真司を引っ張り込んでるのかもしれない、真司が真司の子供に会える機会を潰してしまっている…」
「だからって、それがどうして俺のためにならないの?」
真司は蓮の穏やかな話方で、少しずつ冷静さを取り戻していった。
「真司の本当の幸せは、普通の家庭を持って、子供が生まれて…そんな生活なんじゃないかって…それを俺が阻んでるんじゃないかって…」
まさか、蓮がそんな事思ってたなんて…
「真司がお母さんに恋人だって紹介してくれるって言ってくれたとき、嬉しかったのと、怖かったのがあったんだ」
「どうして怖かったんだよ…」
「 真司と俺が一緒にいる事でその間、真司のお母さんは真司の子供には会えない…それが申し訳なくて…それに俺が親から拒否された、あんな気持ちを真司にさせたくなかった…」
「なんでそうなるんだよ!俺そんなこと…」
蓮が、そんなに悩んでいたことに気がついてなかったなんて…
「男と付き合うってそう言う事なんだよ。楽しいことより諦めないといけない事が多くなる。俺は真司のこと好きになればなるほど、そんな風に真司にはなって欲しくないって思うようになって…でも、真司とは離れたくない…矛盾してるだろ。それでその気持ちを誤魔化すために、真司を避けるように仕事に没頭した。全然身に入ってないのにな」
蓮は何かを思い出すように、宙を見つめた。
「じゃあ、帰りが遅かったのも、スーツにタバコの匂いがついていたのも、酔って帰ってのもそのせいでなのか?」
「…そう…真司のお母さんと会う日が近づくにつれ、真司といたい気持ちと、真司と離れないといけないって気持ちが強くなって、どうすればいいのかわからなかった。だから俺は逃げたんだ…」
「…」
「真司が思ってた立花蓮と、本当の立花蓮は全然違うだろ…本当の俺は、自分に自信がないばっかりに逃げたり、自分可愛さに真司とも離れられないんだ…」
蓮は自嘲的に笑う。
「??それ、関係あるの?」
「うん」
さっきまで真司の方を見なかった蓮が、今度は真司の目を真剣な眼差しでしっかり見つめる。
「うん。好きだよ」
「…じゃあ、真司のお母さんは、子供好き?」
「保育士をしてたからね。好きだと思うよ」
「保育士さんしてたんだね。やっぱり、真司もお母さんも子供が好き…」
「…」
蓮は意を決したように、大きく深呼吸をしてから、
「……ねえ真司…これからずっと俺と一緒にいたら、将来、自分の子供と出会える事は無理だよ」
なんだよそれ‼︎
「‼︎それを言うなら、蓮だって同じじゃないか」
さっきまで穏やかだった真司の声がキツくなる。
「俺はいいんだよ…女の人を好きになれないって気付いた時から、自分の子供とは会えないと思ってる。でも、真司は違う。これから先、自分の子供と会えるかもしれない。それは真司のお母さんだって同じだよ。真司の子供に会えるかもしれない。だから…」
「だから何?それって俺と蓮が将来一緒にいないってこと?蓮、俺怒るよ」
真司の声がさらにキツくなる。
どう言う事だよ蓮。
俺と別れるつもりなのか⁉︎
「可能性の問題だよ」
真司とうってかわって蓮は冷静だ。
「俺、ずっと怖かったんだ…真司を愛してる気持ちは変わらない。だけど、それは俺の勝手な思いで、本当に真司のためになってるのか…って…」
「どう言う意味?」
「俺といる事で、今、まだある同性愛の偏見の中に真司を引っ張り込んでるのかもしれない、真司が真司の子供に会える機会を潰してしまっている…」
「だからって、それがどうして俺のためにならないの?」
真司は蓮の穏やかな話方で、少しずつ冷静さを取り戻していった。
「真司の本当の幸せは、普通の家庭を持って、子供が生まれて…そんな生活なんじゃないかって…それを俺が阻んでるんじゃないかって…」
まさか、蓮がそんな事思ってたなんて…
「真司がお母さんに恋人だって紹介してくれるって言ってくれたとき、嬉しかったのと、怖かったのがあったんだ」
「どうして怖かったんだよ…」
「 真司と俺が一緒にいる事でその間、真司のお母さんは真司の子供には会えない…それが申し訳なくて…それに俺が親から拒否された、あんな気持ちを真司にさせたくなかった…」
「なんでそうなるんだよ!俺そんなこと…」
蓮が、そんなに悩んでいたことに気がついてなかったなんて…
「男と付き合うってそう言う事なんだよ。楽しいことより諦めないといけない事が多くなる。俺は真司のこと好きになればなるほど、そんな風に真司にはなって欲しくないって思うようになって…でも、真司とは離れたくない…矛盾してるだろ。それでその気持ちを誤魔化すために、真司を避けるように仕事に没頭した。全然身に入ってないのにな」
蓮は何かを思い出すように、宙を見つめた。
「じゃあ、帰りが遅かったのも、スーツにタバコの匂いがついていたのも、酔って帰ってのもそのせいでなのか?」
「…そう…真司のお母さんと会う日が近づくにつれ、真司といたい気持ちと、真司と離れないといけないって気持ちが強くなって、どうすればいいのかわからなかった。だから俺は逃げたんだ…」
「…」
「真司が思ってた立花蓮と、本当の立花蓮は全然違うだろ…本当の俺は、自分に自信がないばっかりに逃げたり、自分可愛さに真司とも離れられないんだ…」
蓮は自嘲的に笑う。
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