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第五弾
梓 ②
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「梓さんがどうしても真司に謝りたいって…」
蓮が真司の前にコーヒーを出しながら言う。
「謝りたい事…ですか?」
真司には、梓が真司に謝らないといけない事について、身に覚えがない。
「はい。先日、椿が佐々木さんにご迷惑をおかけしてしまい…大変も申し訳ありませんでした」
「‼︎…そんな…私は何も…」
「いえ、椿から聞きました。佐々木さんに失礼な事を言い、しかもその日、佐々木さんは別のお宅に泊まり、椿が蓮さんとしっかり話しができるように二人にしてくださった時…」
「それは…」
「本当に申し訳ないと言っていました。佐々木さんの優しさとお気遣いのお陰で、椿は蓮さんとゆっくり話しができ、心につっかえていたものを全部吐き出せたようです」
よかった…
椿ちゃん、ちゃんと蓮と話ができたんだ。
「それで…椿ちゃんの様子はいかがですか?」
真司はずっと気になっていたことを梓に聞いた。
「あれからは、すっかり元気になり、以前のように塞ぎ込む事もなくなりました」
梓は嬉しそうに微笑んだ。
「それはよかったです。ホッとしました」
つられて真司も微笑む。
「椿も一生懸命主人を説得しようとしているのですが、主人は聞く耳をもたなくて…」
「そうですか…」
そればっかりは、仕方ない。
蓮のお父さんにはお父さんの考えがある。
だから無理強いする事はできない。
「でも、それは仕方ない事ですし。椿ちゃんがそう思ってくれている事が、私は嬉しいです」
「…佐々木さんは本当にお優しいんですね」
「いえ、そんな…」
「私も椿も蓮さんと佐々木さんの幸せが一番だと思っています」
梓は強い意志で真司と蓮に伝える。
「私も蓮さんのお父様と結婚する時、本当に周りの方々から反対を受けました」
「…」
「私自身も、死別された奥様の事を深く愛されていた主人の気持ちを考えると、私との再婚はしない方がいいと思っていました」
「…」
「ですが、それでも私とこの先一緒に歩んでいきたいと言い続けてくれた主人は、周りの反対を押し切り、なんの取り柄もない私と結婚してくれました」
「そんなことがあったんですね…」
梓の話を聞いて、蓮が驚いた表情で呟いた。
蓮、今までそんな話し聞いた事なかったんだ。
「それに本当のところは主人もお二人の事認めたいんだと思います。ただ頑固なところがあるので、それを表に出せずにいるだけだと思います」
「…」
「主人の事は私に任せていただけませんか?」
「え?お任せするって…?」
梓の提案に真司が聞き返す。
「私が主人を説得してみせます。だから蓮さん、佐々木さん。お二人はお二人だけの幸せを大切にしてください」
「…」
「子供の幸せを願わない親なんていませんよ」
梓は蓮と真司の手を握っり、にっこりと笑った。
蓮が真司の前にコーヒーを出しながら言う。
「謝りたい事…ですか?」
真司には、梓が真司に謝らないといけない事について、身に覚えがない。
「はい。先日、椿が佐々木さんにご迷惑をおかけしてしまい…大変も申し訳ありませんでした」
「‼︎…そんな…私は何も…」
「いえ、椿から聞きました。佐々木さんに失礼な事を言い、しかもその日、佐々木さんは別のお宅に泊まり、椿が蓮さんとしっかり話しができるように二人にしてくださった時…」
「それは…」
「本当に申し訳ないと言っていました。佐々木さんの優しさとお気遣いのお陰で、椿は蓮さんとゆっくり話しができ、心につっかえていたものを全部吐き出せたようです」
よかった…
椿ちゃん、ちゃんと蓮と話ができたんだ。
「それで…椿ちゃんの様子はいかがですか?」
真司はずっと気になっていたことを梓に聞いた。
「あれからは、すっかり元気になり、以前のように塞ぎ込む事もなくなりました」
梓は嬉しそうに微笑んだ。
「それはよかったです。ホッとしました」
つられて真司も微笑む。
「椿も一生懸命主人を説得しようとしているのですが、主人は聞く耳をもたなくて…」
「そうですか…」
そればっかりは、仕方ない。
蓮のお父さんにはお父さんの考えがある。
だから無理強いする事はできない。
「でも、それは仕方ない事ですし。椿ちゃんがそう思ってくれている事が、私は嬉しいです」
「…佐々木さんは本当にお優しいんですね」
「いえ、そんな…」
「私も椿も蓮さんと佐々木さんの幸せが一番だと思っています」
梓は強い意志で真司と蓮に伝える。
「私も蓮さんのお父様と結婚する時、本当に周りの方々から反対を受けました」
「…」
「私自身も、死別された奥様の事を深く愛されていた主人の気持ちを考えると、私との再婚はしない方がいいと思っていました」
「…」
「ですが、それでも私とこの先一緒に歩んでいきたいと言い続けてくれた主人は、周りの反対を押し切り、なんの取り柄もない私と結婚してくれました」
「そんなことがあったんですね…」
梓の話を聞いて、蓮が驚いた表情で呟いた。
蓮、今までそんな話し聞いた事なかったんだ。
「それに本当のところは主人もお二人の事認めたいんだと思います。ただ頑固なところがあるので、それを表に出せずにいるだけだと思います」
「…」
「主人の事は私に任せていただけませんか?」
「え?お任せするって…?」
梓の提案に真司が聞き返す。
「私が主人を説得してみせます。だから蓮さん、佐々木さん。お二人はお二人だけの幸せを大切にしてください」
「…」
「子供の幸せを願わない親なんていませんよ」
梓は蓮と真司の手を握っり、にっこりと笑った。
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