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第五弾
梓 ①
しおりを挟む本当は仕事が休みだった真司だったが急に仕事が入り出勤となった。
仕事中、その日は休みだった蓮から珍しく、今日は早く帰ってきて欲しいと連絡が入った。
蓮がそんな連絡するなんて珍しい。
何かあったのかも…
蓮は真司が遅く帰ってきても待っていてくれるが、真司の仕事の邪魔にならないかと気を回し、早く帰ってきて欲しいとは言わなかったからだ。
心配になった真司は自分の仕事を早々に終わらせると、お客とのアポの後、蓮に『今から帰る』と連絡してから直帰させてもらう事にした。
大急ぎで帰ってきた真司は玄関前で息を整えてから、
「ただいま」
ドアを開いた。
「おかえり」
いつものように、蓮が笑顔で出迎えてくれる。
特に変わりはなさそうだけど…
…ん?
靴を脱ごうと下を向くと、玄関には女物の靴が綺麗に置いてあった。
「誰かお客様?」
蓮からは特に何も聞いてないけど…
「そうなんだ。真司に会いたいって人が来てて」
「俺に?」
ますます誰かわからない。
真司は不思議に思いながら、とりあえずダイニングに向かう。
ドアを開けると、そこには歳は30台後半ぐらいの綺麗な女の人が立っていた。
こんな綺麗な人…記憶にないな…
「あの、私に会いに来てくださったと聞きましたが…」
恐る恐る真司が尋ねると、女性は真司にゆっくり頭を下げる。
「突然申し訳ありません。はじめまして。私、立花梓と言います。立花椿の母で蓮さんの義母になります」
「‼︎椿ちゃんのお母様ですか⁉︎」
真司は驚いて目を見開く。
椿は18歳。
そんな大きな子供がいるとは思えない容姿をしていた。
「はじめまして。私は佐々木真司と言います」
真司も梓はに頭を下げ、挨拶をする。
「あ、どうぞお座りになってください」
立ったままの梓の椅子を真司は慌てて引いた。
「お気遣い、ありがとうございます」
梓は丁寧に御礼を言ってから、椅子に座った。
「でもどうして私に会いに来てくださったのですか?」
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