俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜

葉月

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第四章

蓮と松野の出会い ①

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急いで買い物を済ませると、蓮から預かった合鍵で真司は部屋に入った。

合鍵。

その響きが嬉しくて、真司はしばらく合鍵を見つめていた。

この合鍵が、二人共通の鍵になったらな…
どちらか早く帰った方が、料理をして待つ。
そして、二人でご飯を食べる…
そんな生活ができたらな…

そんな事を考えると幸せな気持ちになるが、
反面、まだ周囲に蓮との関係を話せていない自分の不甲斐なさが嫌になっていた。


カレーを作り終えた真司は、資格の勉強をしつつ蓮の帰りを待った。
時計の針が10時を回った頃、玄関のドアが開いた。
急いで真司は蓮を出迎えにいく。
「蓮、おかえり。こんな時間まで大変だったね」
「ただいま。真司が出迎えてくれるって、本当に嬉しい」
玄関先で真司は蓮に抱きしめられ、赤面する。

「あれ?真司、いい匂いがするんだけど…」
真司の肩に顔を埋めていた蓮が、部屋のなかを見回した。
「今日、俺の方が先に仕事終わったから、カレー作っておいた」
「え⁉︎つくってくれてたの⁉︎」
「ルーは市販のだから、味は大丈夫だと思うけど…」
「ありがとう‼︎早速いただくよ‼︎」
「温めておくから、一緒に食べよ」
「え⁉︎真司、今10時すぎだよ…先に食べててくれてたら…」
「俺が一緒に食べたかったから待ってただけ。ほら蓮。用意してきて」
「ありがとう真司。でも、無理だけはしないでね」
蓮は真司の額に優しくキスをすると、家の中に入って行った。


真司は水漏れしているマンションの事情と蓮の仕事の邪魔にならないようにする事を蓮に話すと、蓮は快く工事が終わるまで泊まっていけばいいといってくれた。


食事とお風呂が終わった二人は、真司が後ろから蓮を抱きしめるようにしながら眠った。
最近、不眠気味だった真司だったが、蓮の甘い香りですぐに眠りについたのだった。



…ん?…

真夜中、真司は蓮がゴソゴソと起き、部屋から出て行ったのに気がついた。
時計を見ると、午前2時。

蓮…どうしたんだろう?

真司は蓮の後を寝室のドアから頭だけだし、蓮の様子を見ていると、蓮はいつも仕事をする時に使う書斎へ入っていった。
不思議に思った真司は蓮に気づかれないよう、そっと書斎のドアの隙間から中の様子を見ると、眼鏡をかけた蓮がPCを開き仕事の続きをしているようだった。
時折、蓮は眼鏡を外し目頭を押さえたり、何か考え事をし、またPCに向かう…
集中しているからか、真司に見られていることは全く気づかないようだった。
真司は蓮の仕事の邪魔をしないように、そっとドアを閉め自分は寝室に戻りベットに横になっていたが、なかなか寝付けない。
結局は寝たフリはしていたが、蓮が寝室に戻ってくるまで、真司は寝られなかった。
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