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第四章
蓮との生活 ②
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その日の仕事も無事終わりかけた時、真司のマンションのオーナーから連絡がはいった。
話を聞くと、どうやら原因は水道管の微量なヒビだったようで、その工事をするためしばらく家には帰れないとのことだった。
本当は今日家に帰って、スーツをクリーニングに出して…
もう一晩だけ泊まらせてもらおうと思っていたけど、工事が終わるまで蓮の家でずっと住まわせてもらうってなると…
長期泊まらせてもらって蓮の仕事の負担になりたくないな…
蓮から届いたメールには、帰りが遅くなるとあったので、真司は蓮の家の近くのスーパーに寄って帰った。
いつも蓮に作ってもらってばかりだから、今日ぐらいは俺が作っておこう‼︎
自信ないけど…
真司のレパートリーは、
チャーハン、餃子、唐揚げ、コロッケ、ハンバーグ、シチューにカレー。
これが真司の好物でもあり、メインで作れるメニューだった。
この前、二人でチャーハン食べたからなー。
…餃子と揚げ物は冷えたら美味しくないし…
シチュー?でもシチューって冬のイメージだし…
残りはカレーか…
こんな事なら、もう少しレパートリー増えしておけばよかった。
そんな事を考えながら、カレーの具材を買い物カゴにいれていると、
「あれ?先輩。こんなところで買い物ですか?」
前を見ると松野が真司と同じように買い物カゴを持ってやってきた。
なんて答えよう…
「あー。晩ご飯の買い物…」
不意打ちだとしても、とっさに出た言葉がこれだとは…
「晩ご飯のですか?でも、先輩の家は店の近くだから、ここじゃないですよね」
不思議そうに松野が真司を見る。
松野が不思議がるのも仕方ない。
ごまかさずに…
「俺の家、水漏れで今使えないから、つ、付き合ってる人の家に泊まらせてもらってる」
真司は一瞬
『友達の家に泊まっている』
と言おうかと思ったが、以前蓮が自分のことを、飲み仲間だと紹介していてショックを受けた事を思い出し、蓮に同じ思いをさせたくないと正直に答えることにした。
「え⁉︎先輩って付き合ってる人いるんですか⁉︎」
「‼︎」
真司が考えいた以上に松野が驚く。
そんなに驚かれるとは…
「さ、最近な」
「俺、聞いてないですけど」
松野が真司の顔を覗き込む。
「言ってないからな」
「なんで言ってくれないんですか‼︎ってか、前の彼女さんと別れたのも聞いてなかったんですけど」
「それも言ってないから…って、なんでそこまで気にするんだよ」
「大事な事です!」
松野の声に力が入る。
「?…よくわからないが、とりあえずそういう事だから。あ、野宮には言うなよ。あいつ、物事を大きくする達人だから…それじゃあ、また明日な」
いそいそと真司は松野とわかれた。
あれ以上いたら、質問責めで何聞かれるか…
話を聞くと、どうやら原因は水道管の微量なヒビだったようで、その工事をするためしばらく家には帰れないとのことだった。
本当は今日家に帰って、スーツをクリーニングに出して…
もう一晩だけ泊まらせてもらおうと思っていたけど、工事が終わるまで蓮の家でずっと住まわせてもらうってなると…
長期泊まらせてもらって蓮の仕事の負担になりたくないな…
蓮から届いたメールには、帰りが遅くなるとあったので、真司は蓮の家の近くのスーパーに寄って帰った。
いつも蓮に作ってもらってばかりだから、今日ぐらいは俺が作っておこう‼︎
自信ないけど…
真司のレパートリーは、
チャーハン、餃子、唐揚げ、コロッケ、ハンバーグ、シチューにカレー。
これが真司の好物でもあり、メインで作れるメニューだった。
この前、二人でチャーハン食べたからなー。
…餃子と揚げ物は冷えたら美味しくないし…
シチュー?でもシチューって冬のイメージだし…
残りはカレーか…
こんな事なら、もう少しレパートリー増えしておけばよかった。
そんな事を考えながら、カレーの具材を買い物カゴにいれていると、
「あれ?先輩。こんなところで買い物ですか?」
前を見ると松野が真司と同じように買い物カゴを持ってやってきた。
なんて答えよう…
「あー。晩ご飯の買い物…」
不意打ちだとしても、とっさに出た言葉がこれだとは…
「晩ご飯のですか?でも、先輩の家は店の近くだから、ここじゃないですよね」
不思議そうに松野が真司を見る。
松野が不思議がるのも仕方ない。
ごまかさずに…
「俺の家、水漏れで今使えないから、つ、付き合ってる人の家に泊まらせてもらってる」
真司は一瞬
『友達の家に泊まっている』
と言おうかと思ったが、以前蓮が自分のことを、飲み仲間だと紹介していてショックを受けた事を思い出し、蓮に同じ思いをさせたくないと正直に答えることにした。
「え⁉︎先輩って付き合ってる人いるんですか⁉︎」
「‼︎」
真司が考えいた以上に松野が驚く。
そんなに驚かれるとは…
「さ、最近な」
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「言ってないからな」
「なんで言ってくれないんですか‼︎ってか、前の彼女さんと別れたのも聞いてなかったんですけど」
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「?…よくわからないが、とりあえずそういう事だから。あ、野宮には言うなよ。あいつ、物事を大きくする達人だから…それじゃあ、また明日な」
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