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第三章

蓮、激怒

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蓮は簡単なものといいつつ、ロールキャベツを作ってくれていた。
デートの後の外食もいいが、真司はやっぱり蓮の手作り料理が一番すきだった。


二人でゆっくり食事を楽しんだ後、
「真司、お風呂入ったけど、どうする?」
今日買ったばかりのパジャマを手に蓮がやってきた。
「あ…俺、調べ物あるから、蓮先に入って」
「じゃあ、先にいただくよ」
真司にタオルとパジャマを手渡して蓮が部屋を出て行った。

蓮がお風呂に入ったのを確認すると、ソファーに座っていた真司は、いそいそと自分の携帯で検索をし始めた。

俺だって男だ‼︎
もし、そういう事になったら、いつも蓮リードだけど、今日は俺がリードして蓮を気持ちよくさせたい‼︎
がっついてる訳じゃないけど…

真司は男同士の知識はほぼないに近い。
だから、色々調べてみるが、情報が多すぎてイマイチわからない。
しかも、受け側の情報はあるが、攻め側がどうしたら、より受けが気持ち良くなるか…などは
『相手の反応を見る』
などで…
女性との経験もそんなに多くない真司には、未知の世界だった。
蓮はお風呂に入ると、だいたい30分はあがってこない。
その間を使って調べで得た情報の中で、まだ自分に合いそうなサイトをみつけた真司は、最終確認として、蓮がお風呂に入っている間に見直していた。

真剣に読み進めていると、急に部屋のドアが開き、
「真司、やっぱり一緒に入らないか?」
お風呂に入ったはずの蓮が部屋に入ってきた。「‼︎」
驚いた真司は、急いでソファーのクッションの下に携帯を隠したが、その行動はしっかり蓮にみられていた。

「真司…今、携帯隠したよね…」
「……いや…別に…」
動揺しすぎて、真司の声が出て裏返る。
「隠した‼︎」
怒った表情で蓮が真司の方へ向かってくる。
「‼︎隠してない‼︎何にもないって‼︎」
この真司の行動が蓮の怒りに触れた。
「じゃあ、見るよ‼︎」
「あ‼︎」
真司が携帯を取るより先に、蓮が真司の携帯を掴み取り、画面を見た。
蓮の表情がより一層怒りにかわり、動きが止まる。

「真司…これどういう事?」
蓮は携帯の画面を真司に見えるように突き出す。
「…これは…」
気まずさに真司は携帯から目を逸らす。
「なんで、こんなサイト見る?」
真司が逸らした目の前に、蓮は携帯をぐっと差し出す。

いつも冷静な蓮がこんなに怒っているのをみるのは、初めてだ。
ごまかさず、ちゃんと言おう…
そして、きちんと謝ろう…

「ごめん、蓮…それは…」
「謝るってことは、卑しいことがあるってこと?」
蓮の怒りがおさまらない。
「ち、違う‼︎…」
「じゃあ…」
「…蓮を…気持ちよくさせたくて…俺、男同士って蓮が初めてだし、その…他の経験も多くないから、よく分からなくて…」
「……」
「だから、色々調べて、蓮に気持ちよくなってほしいと思って…」
「そうだったんだ…」
「うん…黙ってて…ごめん…」
「……」
蓮は何も言わない。

やっぱり、怒ってる…
こんな男で、幻滅させたな…

「真司は、俺が気持ち良くなってないと思ってた?」
「…それは…」
「俺が、演技してると思ってた?」
「そんな事思ってない‼︎」
真司は慌てた。
「…真司には、いつも俺がどう感じてるか、知ってもらった方が良さそうだね…」
蓮は不敵な笑みを浮かべた。

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