俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜

第三章

浸水

その後、特に何も買わなかったが、ブラブラと店をまわったり、特に予定していなかったが映画館で映画を観たり、楽しい時間をすごした。
本当は夕食を食べて帰る予定だったが、蓮の仕事で急用ができたので、名残惜し見ながら仕方なく二人は帰った。


今日のデートは楽しかったなー。

デートの余韻に浸りながら、真司が家の鍵を開けると…

ん？水滴がぴちゃぴちゃ落ちている音がする…

部屋のドアを開けると…

！！！！

部屋全体に天井から水滴が落ちてきていた。
特に酷かったのが、洗面台とその隣にある真司の寝室の天井。
洗面台と洗濯機周りの床は水浸し。
寝室に至っては、ベットとベット周りにも水漏れしていて、布が水をふくんでいた。

もしかして‼︎

急いでクローゼットをあけると、

！！！！
やっぱり…

クローゼットの中も水出来が落ちてきていて、中の服などもびっしゃり濡れていた。

明日着るスーツもアウトだ…
これは…いわゆる『水漏れ』か…
って、俺は今日どこで寝る？

ベットもソファーもアウト。
床で寝るのも水で濡れていて寝れそうにもない。
時間は遅いが、大家さんに連絡してから、考えよう。

大家に電話で説明すると、大急ぎで駆けつけてくれた。
「申し訳ありません。急いで原因を探したいのですが、時間が遅く業者が来るのも明日になるかと…大変申し訳ありませんが、今日はホテルに泊まっていただけますでしょうか？ホテル代は全て出させていただきます」
大家は本当に申し訳なさそうだ。
「大丈夫ですよ。水漏れは仕方ないですし、今日泊まるところはなんとかします」

…と、言ったものの、どこに行こうか…
蓮に…泊まらせてもらおうかな…

蓮は仕事の急用で帰ったのに、そこに不慮の事故とは言え、急に泊まらせてもらうのは仕事の邪魔をしてしまいそうで、気が引けていた。

もし、仕事がいそがしそうだったら、やめよう…

真司は携帯を取り出し、蓮に電話をした。
数回の呼び出し音の後、
『もしもし、真司？どうした？』
柔らかな蓮の声がした。
「いや…蓮、仕事どうなったかな？と思って…」
真司は蓮の仕事の進み具合を聞いてみた。
『今終わったとこ。意外と早く終わってよかったよ』

やっぱり蓮は仕事が早い。

「実は今、家水漏れしてて、部屋の中が水浸しになっていて、もし蓮がよかったら…」
『泊まりに来て』
蓮は真司が言い終わらないうちに言った。
『晩ご飯簡単なものしか作れないけど、何か用意しておくよ』
「ありがとう。今から行かせてもらう」

今日、お泊まりセット買っててよかった。

真司は蓮の家に向かった。