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第三章

俺のスパダリはギャップがすごい 真司、美容院に行く

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真司は至福の朝を迎えていた。
なぜなら、今日は蓮と初めてのデートだ。

今、蓮は着替えに一度家に帰っていて、二人で買い物をしようと言っている最寄りの駅で待ち合わせをしていた。

こんな格好でいいのかな…?

真司の中肉中背で平凡顔…
最近忙しくて美容院に行く暇もなかったので、髪は伸びたい放題…
服装はオーバーサイズのものが好きで、いつの間にかクローゼットの中の服は、殆どがオーバーサイズ。
その点、蓮は10人中10人が爽やか系イケメンというだろうルックスで、大人の雰囲気も兼ね備えている。

今まで真司は蓮の私服を見たことがなかったので、どんな服装で行けば蓮と歩いていてもおかしくないのか心配していた。

今更どうにかして、どうにかなるものではないけど…これは酷い…

鏡に映る自分を見てがっかりする。
時計を見ると蓮との約束の時間まで、まだだいぶあった。

大急ぎで美容院でカットだけでもしてもらえたら‼︎

真司がいつも行く美容院は蓮との待ち合わせの駅近くにあったので急いで電話をすると、運良く予約が空いていた。
真司は朝ごはんも食べず、大急ぎで美容院に向かった。



美容院でのカットが終わり、セットされた髪型を見て、真司は不安になっていた。
髪型は確実に短めだが、マッシュだ。

本当にこの髪型が正解?
学生みたいな髪型になっている…

長年通っている美容院だったので、髪型は美容師に任せしたら、真司が予想していた髪型とはかけ離れていた。

「オーナー…確かにお任せで頼みましたが…この髪型で、本当に大丈夫ですか?」
「佐々木さんって実は童顔って、知ってました?」
「え⁉︎そんな事言われたの、初めてですよ」
思いもよらない事に真司は心の底から驚いた。
「わぁ~。佐々木さん、可愛くなってる」
ブローを手伝ってくれていたアシスタントの女の子が鏡越しに真司を見て声をあげる。
今までそんな事言われたことがなかった真司は赤面した。
「でも…」
「今日の服装にもよくあってますし、俺はずっと佐々木さんはそういう髪型がよく似合うと思ってましたよ」
「…」
「佐々木さん、今日彼女さんとデートなんでしょ?意外性って大事ですよ」
オーナーが笑う。
「‼︎」

デートだってばれていた‼︎

照れたのと、楽しみすぎて顔がにやけそうになるのをグッと堪えた。
「また、どうなったか報告しにきてくださいね」
オーナーは微笑ましいものを見ているように、真司を見送った。
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