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第一章

俺のスパダリははギャップがすごい 約束②

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立花との約束の時間まで、まだだいぶ時間があった。

とりあえず一度家に帰って、シャワーを浴びてこよう…

暖かい気候になり、じんわりと汗をかく季節になっていた。
少しでも、いい状態で立花に会いたかった真司は立花に渡す手土産を買った後、一度家に帰った。

立花さんに会える‼︎

はやる気持ちを抑えつつ、真司はテキパキと準備をする。
 

まだこんな時間か…

そんなに確認しても時間の進むスピードは変わらないと分かっていても、真司は何度も時間を確認してしまっていた。

どこかおかしいところはないか?
百貨店で買った手土産は、本当にこれでよかったのか…

何か不備はないか、何度もチェックする。

今日は何を話そう。
まずは、連絡しなかった事を素直に謝ろう。
本当は早く会いたいけど、立花さんも準備があるから、あまり早く行きすぎるのは失礼だな。

真司は立花との食事を想像しただけで、顔がにやけてしまう。

きちんと時間を確認して家を出たつもりが、約束の時間前に立花の住むマンションについてしまった。

どうしよう…
この辺りは詳しくないから、変に動き回って道が分からなくなったら困るしな…

時間をつぶせそうな所を探していると、

「佐々木さん‼︎」

遠くからずっと聞きたかった立花の声がした。
鞄と紙袋を下げた立花が真司に向かってかけてくる。

「立花さん‼︎…すみません。お約束の時間より少し早くついてしまいました」
「いえ、こちらこそ、お待たせしてしまい、すみません。大切な日に限って仕事が長引いてしまって…」

大切な日って⁉︎

立花に会えた事や、立花の一言一言が真司の心に響く。

変に勘違いしてはダメだ。
立花さんにとって、誰かと食事するなんて、よくある事。
俺だけ特別ってわけじゃない。

嬉しさで、真司はついつい勘違いしてしまいそうになる気持ちを抑えた。

「私は早く佐々木さんに会えて嬉しいですよ」

フワッと立花が笑い、真司の顔が真っ赤になる。

「こ、この紙袋…私、持ちます‼︎」

照れすぎて変な喋り方になってる‼︎

「じゃあ、お願いします」
にこりと笑いながら立花が紙袋を真司に手渡した。

これは…

よくよく紙袋をみると、真司のお気に入りの店のロゴがプリントされていた。

「このお店の焼き菓子、俺好きなんです‼︎」
食い気味に真司が言うと、
「よかった。わたしは甘い物に詳しくないので、会社の女の子達に聞いてみたら、ここの焼き菓子が美味しいと教えてくれて…佐々木さんは、やっぱり甘い物がお好きなんですね」

覚えてくれてたんだ…

立花もコーヒーショップでの出来事を覚えてくれていて、真司は嬉しくなった。

「では、家にいきますか」
佐々木が嬉しそうに真司の前を歩きだした。
真司は立花の後ろ姿に見惚れながら、後をついていった。

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