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第一章

俺のスパダリはギャップがすごい コーヒーショップで

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真司はすぐにでも立花に連絡したかったが、こう言う時に限って、仕事が立て続けに入り、バタバタした日々を過ごしていた。
次のお客との仕事と仕事の間に時間ができたので、久々に会社から少し離れているが真司の好きなコーヒーショップに寄ることにした。

あれから立花さんからも連絡ないし…
今、どうしてるのかな?

あの一件から、真司はなにかと立花の事が気になっていた。

「あ、佐々木さん?」
レジまでの順番待ちで並んでいると、後ろから不意に自分の名前を呼ばれた真司は振り向くと、真司の後ろにスーツ姿の立花が並んでいた。
「立花さん‼︎」
真司は偶然でも立花に会えて嬉しい自分がいることに驚く。

「立花さんもここのコーヒー飲まれるんですか?」
「はい。ここのコーヒーおいしいですよね」
久々にみる立花の笑みは真司の疲れを吹き飛ばす感じがした。
「そうですよね。ここのコーヒーおいしいですよね」

俺、てんぱりすぎて立花さんと同じこといってるだけじゃん…

「立花さんはここによく来られるんですか?」
「私の会社はこの近くなので、後輩とよく来るんです」
「そうなんですね…」

あー、俺も会社がこの近くだったらよかったのに…。
毎日でも行く‼︎

「佐々木さんは、よくこられるんですか?」
「本当は来たいのですが、会社がここから遠いのでなかなか来れなくて…」
「そうなんですね。もし佐々木さんがよくこられるんだったら、私も毎日くるんですけどね」
立花の満面の笑みは眩しいくらい。
周りにいた人たちも見惚れていた。

その笑顔を向けられた真司の心臓は爆発するかと思うほど高鳴った。

「あの…この前のことなんですけど…」
真司が立花に話しかけたとき、 
 
「お次のお客様どうぞ」
「あ、はい」
店員に呼ばれ、真司は急いでレジに向かう。
立花との話に夢中になりすぎて、コーヒーを買うために並んでいる事を忘れてしまっていたのだった。

立花との話を中断され、名残惜しそうにしながらも真司はいつものコーヒーを注文する。
真司は甘党なので、女子が好きそうな甘いものだ。

「佐々木さんは甘党なんですね」
後ろに並んでい立花が真司の横からヒョイと顔を出した。

立花さん…ち、近い‼︎

ドキドキしていると、注文を取っていた店員の女の子も顔を真っ赤にしながら立花を見る。

「あ、今日も同じものにされますか?」 
もう、真司のことは目に映ってないかのように、女の子が立花に話しかける。

「今日は彼と同じものにするよ。大きさは一番小さいのでお願いするね。あと2つはいつものでお願いします」
立花がニコッと笑うとその場にいた、男女問わずみんなが頬を赤らめる。
真司も例外ではなく…

真司はいつもは早く飲みたくなるコーヒーを受け取ると、今日は名残惜しそうにカウンターを離れようとする。

「また、後日」

立花が真司だけに聞こえるよに言った。
真司が答えようとしたとき、
「チーフ、ありがとうございます」
立花の後輩であろう男性が近づいてきた。

「お疲れ様。いつもの買っておいたよ」
立花の笑顔の先は真司から後輩に移ってしまった。

なんだか寂しいな…
当たり前のことなんだけど…

寂しさを隠すように、真司は急いで店を出た。

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