254 / 269
誤解 ④
しおりを挟む
「あれは、大輔が有馬にプロポーズした」
「えーーーーーー!!!」
驚きのあまり、優斗は大きな声を出してしまった。
「大輔さん、プロポーズしたの?」
「ああ。大輔は店が軌道に乗ったら有馬にプロポーズするって、決めてたみたいだ」
「!!!じゃあ、有馬さんと大輔さんは…」
「結婚するって」
「!!結婚!?それって凄い!!」
優斗のクリクリした目はさらに丸くなる。
「健はいつ聞いたの?」
「今日カフェで。その時、有馬の指輪を見たんだ」
「じゃあ、俺が見たのって…」
「多分、有馬が結婚の報告をしてくれてた時なんじゃないかな?」
健は優斗の顔をじっと見て、優しく包み込むように抱きしめた。
「俺、優斗には自分の気持ち伝えて、隠し事もないと思ってたし、そうしてきた。でもそれは言葉足らずで、優斗に寄り添えてなかった」
「…」
「自分は優斗を大切にしているって、自分勝手な自己満足に浸ってただけだったんだ。優斗が1人悲しんだり、苦しんだりしてることなんて気付かず、俺1人、浮かれてたんだ。でももし…もし俺のせいで優斗を失うってことになったら…」
今にも泣き出しそうな健を、優斗は見上げた。
「泣かないで健」
優斗が両手を伸ばし、健の頬を包み込む。
「俺は健に何も言わなかったんだ。そんなの健がわかるはずない。健は悪くない」
「…」
「今度からは不安な時は、ちゃんと『不安だ』って言う。悲しい時は『悲しい』って言う。苦しかったり、胸がモヤモヤした時もちゃんと言うよ。好きってことだけじゃなくて、いろんな気持ち、健に伝えていく」
「…」
「だって俺、ずっと健といたいから…」
「!!」
健の顔がくしゃっと歪み、涙が流れる。
「たくさん喧嘩もしよう。それでね、その数だけ仲直りしよう」
優斗は健の胸に顔を埋めた。
静かに脈打つ健の鼓動が心地いい。
すぐそばに愛しい人がいて、その愛しい人を抱きしめている。
いつも強くて、自分のことを守ってくれていた健のことを、優斗は今、自分が守ってあげたいと思った。
「健、大好きだよ」
優斗は思いっきり背伸びをして、健の体を引き寄せ頬にキスをする。
するとさらに健の目から涙が溢れ…。
「愛してるよ、優斗。もう絶対に悲しませたりしない」
健は優斗を抱き上げる。
「うん。俺も健のこと、悲しませたりしない」
優斗は健の髪にキスをした。
「じゃあ、健はまだ知らないかもしれないから、先に言っておくね」
まだ自分は悪いことをしてしまっているのではないかと、健は気を引き締める。
「えーーーーーー!!!」
驚きのあまり、優斗は大きな声を出してしまった。
「大輔さん、プロポーズしたの?」
「ああ。大輔は店が軌道に乗ったら有馬にプロポーズするって、決めてたみたいだ」
「!!!じゃあ、有馬さんと大輔さんは…」
「結婚するって」
「!!結婚!?それって凄い!!」
優斗のクリクリした目はさらに丸くなる。
「健はいつ聞いたの?」
「今日カフェで。その時、有馬の指輪を見たんだ」
「じゃあ、俺が見たのって…」
「多分、有馬が結婚の報告をしてくれてた時なんじゃないかな?」
健は優斗の顔をじっと見て、優しく包み込むように抱きしめた。
「俺、優斗には自分の気持ち伝えて、隠し事もないと思ってたし、そうしてきた。でもそれは言葉足らずで、優斗に寄り添えてなかった」
「…」
「自分は優斗を大切にしているって、自分勝手な自己満足に浸ってただけだったんだ。優斗が1人悲しんだり、苦しんだりしてることなんて気付かず、俺1人、浮かれてたんだ。でももし…もし俺のせいで優斗を失うってことになったら…」
今にも泣き出しそうな健を、優斗は見上げた。
「泣かないで健」
優斗が両手を伸ばし、健の頬を包み込む。
「俺は健に何も言わなかったんだ。そんなの健がわかるはずない。健は悪くない」
「…」
「今度からは不安な時は、ちゃんと『不安だ』って言う。悲しい時は『悲しい』って言う。苦しかったり、胸がモヤモヤした時もちゃんと言うよ。好きってことだけじゃなくて、いろんな気持ち、健に伝えていく」
「…」
「だって俺、ずっと健といたいから…」
「!!」
健の顔がくしゃっと歪み、涙が流れる。
「たくさん喧嘩もしよう。それでね、その数だけ仲直りしよう」
優斗は健の胸に顔を埋めた。
静かに脈打つ健の鼓動が心地いい。
すぐそばに愛しい人がいて、その愛しい人を抱きしめている。
いつも強くて、自分のことを守ってくれていた健のことを、優斗は今、自分が守ってあげたいと思った。
「健、大好きだよ」
優斗は思いっきり背伸びをして、健の体を引き寄せ頬にキスをする。
するとさらに健の目から涙が溢れ…。
「愛してるよ、優斗。もう絶対に悲しませたりしない」
健は優斗を抱き上げる。
「うん。俺も健のこと、悲しませたりしない」
優斗は健の髪にキスをした。
「じゃあ、健はまだ知らないかもしれないから、先に言っておくね」
まだ自分は悪いことをしてしまっているのではないかと、健は気を引き締める。
0
お気に入りに追加
389
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
Sweet☆Sweet~蜂蜜よりも甘い彼氏ができました
葉月めいこ
BL
紳士系ヤクザ×ツンデレ大学生の年の差ラブストーリー
最悪な展開からの運命的な出会い
年の瀬――あとひと月もすれば今年も終わる。
そんな時、新庄天希(しんじょうあまき)はなぜかヤクザの車に乗せられていた。
人生最悪の展開、と思ったけれど。
思いがけずに運命的な出会いをしました。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
【完結】嘘はBLの始まり
紫紺
BL
現在売り出し中の若手俳優、三條伊織。
突然のオファーは、話題のBL小説『最初で最後のボーイズラブ』の主演!しかもW主演の相手役は彼がずっと憧れていたイケメン俳優の越前享祐だった!
衝撃のBLドラマと現実が同時進行!
俳優同士、秘密のBLストーリーが始まった♡
※番外編を追加しました!(1/3)
4話追加しますのでよろしくお願いします。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる