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健、半休をとる ②

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ごめんなさい…。今日だけですので…。

 健は瞳を閉じたまま、ベッドで微動だにしない。
 ところが、

ーーピンポーンーー
 
 またベルが鳴り、たて続けに、

ーーピンポーン、ピンポーン、ピンポーンーー

 ベルが鳴った。
 このベルを鳴らしている人は、健がインターホンに出るまで帰る気配はない。

ったく、勘弁してくれよ…。

 重い体を引きずるように、インターホンの前にくる。
「はい…」
 通話のボタンを押し、画面を見ると、

大輔?

 そこには健の悪友、大輔の姿があった。
「健、生きてるか?」
 起こされた健は呑気そうな大輔の声に、イラッとする。
「なに?」
 明らかに声が怒っている。
「何って、見舞い」
「見舞いなんていらない。帰れ」
「え~帰れないよ」
「帰れって。本当にしんどいんだ。お前に構ってられない」
 それだけ言って、健は終了ボタンを押す。
 すると、

ーーピンポーンーー

 またチャイムが鳴る。

しつこい!!

「だから、今日は帰ってくれって」
「帰ったら、優美に怒られる。だから、開♡け♡て♡」
 語尾にハートマークがついていそうな声で、大輔が話す。

これは追い返せない感じだな…。

 健は大きなため息を吐き、解錠のボタンを押す。
「玄関の鍵も開けておくから、勝手に入ってこい」
「了解!」 
 元気な大輔の声がし、健は終了のボタンをし、玄関の鍵を開けておいた。

ーーピンポーンーー
「あ、鳴らさなくてもよかったんだ…。お邪魔しまーす…」
 大輔が来てもすぐにわかるように、健は寝室のドアを開けっぱなしにしていて、大輔の独り言が全部聞こえていた。
「健~、どこだ~?」
 
 大きな声を出すのも億劫なので、近くに置いていたスマホを手に取り、
ーープルルルーー
 電話をかける。
「あ!健、どこ?」
 健が電話をかけた相手は大輔。
 電話越しの大輔の大きな声が頭に響き、頭がガンガンする。
「寝室…」
「寝室な!」
 元気な声も、今日の健にとっては、頭に響く声。
 ただでさえ頭痛が酷くなってきているのに、さらに大輔の声が追い打ちをかける。
「健、見~つけた」
 寝室に入ってくるなり、ベッドのヘリに座り、健の額を突いた。
「大輔…うるさい…」
「そうか?いつも通りだぞ」
 えへへと大輔は笑うが、明らかにいつもより陽気だ。
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