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すれ違い ⑥ 〜健side〜
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「イタリアに行ってる間、全然連絡ないのに、急に『帰ってきた』って連絡くれたかと思ったら、その後何もないし…。『待たなくていい』って言われたのに、私『ずっと待ってました』なんて言えないよ…」
「なんで?」
「大輔くんに…新しい恋人できてるかもしれないじゃん…」
「大輔本人から、そう聞いたのか?」
「聞いて…ない…」
「じゃあ、いないんじゃね?」
「え?」
掻き回すマドラーが止まる。
「だってアイツ、優美ちゃんの事、大好きだから」
「……」
「だからあの時言っただろ?よりを戻すかどうかは『優美ちゃん次第なんじゃないか?』って」
「……」
「一回、優美ちゃんから連絡してみたら?」
「………、して……みる…」
優美は俯いたが、その顔は少し嬉しそうだった。
健は優美の仕事の愚痴や、大輔への不満を『うんうん』と聞き、優美の表情がすっきりしたのを確認すると「俺ももうすぐ帰るから、有馬は先に帰れ」と、優美を先に帰らせた。
大輔のやつ、意地張ってないで、さっさと連絡すればいいのに。
ま、それは有馬も一緒か…。
学生の時から、2人に振り回されっぱなしの健は、大きなため息をつく。
2人の板挟みになってる、俺のことも考えろよな。
本当、いつまでたっても、世話の焼けるカップルだ。
そんなことを思いながらも、健には2人がお似合いのカップルで、なんだかんだ言いながら仲がいいことを知っている。
ただ、少しばかり、2人とも自分の気持ちを伝えるのが下手なのも知っている。
ま、有馬に大輔を紹介したのは俺だし、最後まで面倒見るか…。
面倒くさいと思いつつも、この2人をどうしても放っておくことができないのだった。
「なんで?」
「大輔くんに…新しい恋人できてるかもしれないじゃん…」
「大輔本人から、そう聞いたのか?」
「聞いて…ない…」
「じゃあ、いないんじゃね?」
「え?」
掻き回すマドラーが止まる。
「だってアイツ、優美ちゃんの事、大好きだから」
「……」
「だからあの時言っただろ?よりを戻すかどうかは『優美ちゃん次第なんじゃないか?』って」
「……」
「一回、優美ちゃんから連絡してみたら?」
「………、して……みる…」
優美は俯いたが、その顔は少し嬉しそうだった。
健は優美の仕事の愚痴や、大輔への不満を『うんうん』と聞き、優美の表情がすっきりしたのを確認すると「俺ももうすぐ帰るから、有馬は先に帰れ」と、優美を先に帰らせた。
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