愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

ピンクのマグカップ ⑤

あれ？

　優斗はあることに気が付いた。

ピンクこのカップの底…欠けてる…。

　ピンクのカップの底が少し欠けていて、取手の部分にヒビが入り、接着剤で直した跡まである。
　これは明らかに、誰かが使っていた・・・・・カップだ。

これ……俺のためのじゃ……ない……。

　さっきまであったワクワクは、泡のが一気に弾けたように消えていく。

『Y』……『Y』……『Y』………。

　頭文字が『Y』の人を思い浮かべる。

『Y』……『Y』……『Y』……『Y』……。
『Y』！！！！！

　優斗の頭の中に、ある人の顔が思い浮かんだ。

『Y』！！
そうあの人の頭文字は……。

「有馬さん！！有馬優美さん！！」
　誰もいない部屋の中、優斗は叫んだ。

有馬さん！
有馬優美さん！！
有馬さん名前は『優美』さん。
『優美』…頭文字は『Y』！
そんな……まさか……。

　頭が真っ白になる。

有馬さん！？
有馬優美……さん……。