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リーダー研修 ⑤
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どうにも優斗のモヤモヤは、すぐには消えてくれなさそうだった。
いつもは気分転換にカフェに入って、甘めのカフェオレ飲んだり、少し足を伸ばして大きめの書店で本を探したり、姉たちの店に寄ったり…。
でも今日はそんな気分転換する気にもなれない。
健を応援したい。でもせっかく一緒に暮らしていても、2人の時間はなかなか取れない。有馬との関係も物凄く気になる…。
もう優斗の中で、モヤモヤが一杯すぎてどう対処していいか、わからなくなっていた。
家に帰っても1人だし、夕食だって食べてくれる人がいないなら、作るの全然楽しくない。
かと言って、1人で食べに行くのもな…。
姉さんたちに予定空いてないか、聞いてみる?
でもそんなことしたら、勘のいい姉さんたちのこと。
『健くんとなにかあったでしょ?』って聞かれるに決まってる。
姉さん達、俺に甘いから『優斗が聞けなかったら、私たちが聞く!』って、すぐにでも健を問いただしそうだし…。
もう、俺の頭の中、いっぱいいっぱいだー!!
スーパー近くの公園のベンチに座り、空を見上げる。日が沈みかけ、あたりは少しずつ暗くなり始めていた。
公園にいるもの、もう限界か…。
家に…帰りたくないな…。
部屋で1人、健の帰りを待つのは寂しくて、悪い事ばかり考えてしまいそうで嫌だっし、1人になりたくなかった。かといって学生の時の友達と最近連絡しておらず、急に『飲みに行かない?』と連絡するのも気が引けた。
「はぁ~」
大きなため息が出る。中に何も入っていないエコバックが、風にたなびく。日が沈み、街灯が灯だし、公園内には優斗1人になった。
こんな気持ちの時、みんなはどうしてるんだろう…?
この前、健とすれ違いちゃった時は、卓が相談に乗ってくれたから、気持の整理もできたけど…。
こんな時、卓ならどうするんだろう…?
卓なら何か知ってるかも…。
優斗はズボンのポケットからスマホを取り出すうと、卓に電話をかける。何回かの呼び出し音の後、
『もしもし優斗、どうした?』
卓の声がした。すぅ~っと小さく息を吸い込み、気持ちを切り替える。落ち込んだ時の、優斗の癖。
昔から周りに心配かけないようにと、どんな話も笑顔を添えて明るく話す。悲しい時や苦しい時も元気に振る舞ってしまう…。そんな癖がついてしまっていた。
「えーっとね、今俺、頭パンクしそうなんだ…」
『へ?頭パンク?何それ』
「気持ちのモヤモヤがおさまらないんだ」
優斗自身、意味不明なことを話してる自覚はある。だがこの今の気持ちをうまく説明することができなくて、抽象的な言い方しかできない。
『恋人と何かあった?』
「!!なんでわかったの?」
『優斗の気持ちがモヤモヤするって、恋人関係しかないだろ?』
「仕事関係とか、他にもあるかも知れないだろ?」
『いや、優斗、楽天的というか、仕事に関しては無駄にプラス思考だから、仕事関係では悩まないと思う』
「それ、ひどい!」
電話越しに優斗が拗ねると、『あはは』と卓が笑う。
『話聞くよ。優斗、夕飯食べた?』
「ううん、まだ」
『じゃあ食べながらにしよ。俺仕事終わったばっかだから、少し時間かかるかもだけど、〇〇駅で待ち合わせでどう?』
「うん、俺も今から向かうよ」
『また後で』
そう言うと卓は電話を切った。
いつもは気分転換にカフェに入って、甘めのカフェオレ飲んだり、少し足を伸ばして大きめの書店で本を探したり、姉たちの店に寄ったり…。
でも今日はそんな気分転換する気にもなれない。
健を応援したい。でもせっかく一緒に暮らしていても、2人の時間はなかなか取れない。有馬との関係も物凄く気になる…。
もう優斗の中で、モヤモヤが一杯すぎてどう対処していいか、わからなくなっていた。
家に帰っても1人だし、夕食だって食べてくれる人がいないなら、作るの全然楽しくない。
かと言って、1人で食べに行くのもな…。
姉さんたちに予定空いてないか、聞いてみる?
でもそんなことしたら、勘のいい姉さんたちのこと。
『健くんとなにかあったでしょ?』って聞かれるに決まってる。
姉さん達、俺に甘いから『優斗が聞けなかったら、私たちが聞く!』って、すぐにでも健を問いただしそうだし…。
もう、俺の頭の中、いっぱいいっぱいだー!!
スーパー近くの公園のベンチに座り、空を見上げる。日が沈みかけ、あたりは少しずつ暗くなり始めていた。
公園にいるもの、もう限界か…。
家に…帰りたくないな…。
部屋で1人、健の帰りを待つのは寂しくて、悪い事ばかり考えてしまいそうで嫌だっし、1人になりたくなかった。かといって学生の時の友達と最近連絡しておらず、急に『飲みに行かない?』と連絡するのも気が引けた。
「はぁ~」
大きなため息が出る。中に何も入っていないエコバックが、風にたなびく。日が沈み、街灯が灯だし、公園内には優斗1人になった。
こんな気持ちの時、みんなはどうしてるんだろう…?
この前、健とすれ違いちゃった時は、卓が相談に乗ってくれたから、気持の整理もできたけど…。
こんな時、卓ならどうするんだろう…?
卓なら何か知ってるかも…。
優斗はズボンのポケットからスマホを取り出すうと、卓に電話をかける。何回かの呼び出し音の後、
『もしもし優斗、どうした?』
卓の声がした。すぅ~っと小さく息を吸い込み、気持ちを切り替える。落ち込んだ時の、優斗の癖。
昔から周りに心配かけないようにと、どんな話も笑顔を添えて明るく話す。悲しい時や苦しい時も元気に振る舞ってしまう…。そんな癖がついてしまっていた。
「えーっとね、今俺、頭パンクしそうなんだ…」
『へ?頭パンク?何それ』
「気持ちのモヤモヤがおさまらないんだ」
優斗自身、意味不明なことを話してる自覚はある。だがこの今の気持ちをうまく説明することができなくて、抽象的な言い方しかできない。
『恋人と何かあった?』
「!!なんでわかったの?」
『優斗の気持ちがモヤモヤするって、恋人関係しかないだろ?』
「仕事関係とか、他にもあるかも知れないだろ?」
『いや、優斗、楽天的というか、仕事に関しては無駄にプラス思考だから、仕事関係では悩まないと思う』
「それ、ひどい!」
電話越しに優斗が拗ねると、『あはは』と卓が笑う。
『話聞くよ。優斗、夕飯食べた?』
「ううん、まだ」
『じゃあ食べながらにしよ。俺仕事終わったばっかだから、少し時間かかるかもだけど、〇〇駅で待ち合わせでどう?』
「うん、俺も今から向かうよ」
『また後で』
そう言うと卓は電話を切った。
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