愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

葉月

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飲み会 ⑦

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「ご馳走様でした」
 会計は先に健が済ませており、綾がペコリと頭を下げると、優斗と卓も綾に続いて「ご馳走様でした」と頭を下げる。
「次は奢ってくれよ」
 冗談ぽく健が言うと、
「次回もお願いします」
 と綾が冗談で返す。最初はピリピリしたスタートだった飲み会も、終わってみれば楽しい会になっていた。
 4人とも電車通勤で、一緒に駅まで向かう。
 家の方向が綾と健が同じホーム。卓と優斗が同じホームと帰る方向が違う。優斗と健は同棲しているので、一緒に帰れるはずだが、綾と卓の手前健と一緒に帰れるはずもなく、
「じゃあ、俺、河野くんと同じ方面なので、ここで失礼します」
 ホームへ向かう分かれ道、優斗は迷う事なく自分の部屋に向かうホームへ卓と向かおうとする。 一瞬、健が何か言いたそうにしたのを感じた優斗は、卓の腕を掴み「お疲れ様です」とだけ言い残し、健と綾の元を去った。

「優斗、長野チーフ、なにか言いたげだったけど、聞かなくて良かったのか?」
 優斗に腕を引かれホームに着いた卓が訊いた。
「うん。大丈夫だと思う」
 反対のホームにいる健と綾を見ると、2人、何やら楽しそうに話す姿があった。

なに話してるんだろう?
健と同じ方向に帰るのは、俺だったのにな…。

 寂しい気持ちになるので、優斗は2人から目を逸らせる。
「俺と帰るのつまんない?」
 落ち込む優斗の顔を卓が覗きこむ。
「!そんな!楽しいよ。それに卓と一緒に帰るなんて、こんな機会じゃないとなかなかかいもんね」

そうだ。
これから健と一緒に暮らすんだから、卓と帰ることなんて、これからなくなちゃうんだ。

「だから一緒に帰れて嬉しい」
 優斗が楽しそうに笑うから、
「それは良かった」
 と、卓も笑う。
 そんな微笑ましい光景を、優斗と反対のホームにいた健が険しい顔で見ていのを、優斗と卓は気づいていなかった。
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