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これって…。 ②
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「それで…もし優斗がよかったら……、その…、一緒に暮らさないか…?」
言葉を選びながら話す、健の自信なさげな声がした。
「…え…?」
健…今、なんて言った…?
状況が把握できず健の方を見上げると、真剣な眼差しで優斗を見つめる健の瞳と優斗の瞳が合う。
「優斗がよかったら、俺は優斗と一緒に暮らしたい。ずっと優斗のそばにいたいんだ」
「……」
「無理強いはしない。だけど少し考えていて欲しいんだ…」
「……」
「優斗…?」
「……」
黙ったまま健を見つめている優斗の瞳に、涙が浮かぶ。
「え!?あ!ごめん!急だったよな。本当ごめん…」
慌てて健が謝るが、固まったまま健を見つめる優斗の目から、とうとう涙が流れた。
「わ!!そんなつもりは…、泣かせるつもりはなかったんだ。ごめん優斗…。泣かないで…」
健は優斗の表情がよく見えるようにソファーから降り、床に跪くと優斗の顔を覗き込み涙を指で拭うが止まらず、どうしてよいのかオロオロしだした。
「……。いいの…?」
「え?」
黙っていた優斗が口を開いた。
「一緒に住んで…いいの?俺、健と一緒に暮らせるの…?」
「あ…、ああ!そう!俺は優斗と一緒に暮らしたい!暮らしたいよ!」
先ほどまでオロオロしていた健の顔が、パーっと明るくなり、優斗の返事を待つ。
「俺も…、俺も一緒に暮らしたい!健と一緒に暮らしたい!」
そう優斗が言い終わらないうちに、健は立ち上がり優斗を抱き上げる。
「本当に!?本当にそう思うのか!?」
「うん!暮らしいたい。健と一緒に暮らしたい!」
涙はポロポロ流れているが、優斗の顔は幸せで仕方ないと笑みが溢れる。
嬉しい。
これから健と一緒にいれる時間が、増えるんだ。
仕事ですれ違いの時間があっても、健と帰る部屋は同じ。
時間を気にせず一緒にいられるんだ。
「一緒に暮らそう。引っ越しは少しずつでも、業者に頼んで1日で済ませてもいい。優斗がしやすい方法でしよう」
健が優斗の頬にキスをすると、優斗は健の首にしがみつく。
「わがままいってもいい…?」
「ん?」
「今日から一緒が…いいな」
照れながら優斗が言うと、今度は健が目を瞬かせ、
「そんな可愛いわがままは、大歓迎」
しっかりと自分に抱きつく優斗の髪に、キスをした。
言葉を選びながら話す、健の自信なさげな声がした。
「…え…?」
健…今、なんて言った…?
状況が把握できず健の方を見上げると、真剣な眼差しで優斗を見つめる健の瞳と優斗の瞳が合う。
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「……」
「無理強いはしない。だけど少し考えていて欲しいんだ…」
「……」
「優斗…?」
「……」
黙ったまま健を見つめている優斗の瞳に、涙が浮かぶ。
「え!?あ!ごめん!急だったよな。本当ごめん…」
慌てて健が謝るが、固まったまま健を見つめる優斗の目から、とうとう涙が流れた。
「わ!!そんなつもりは…、泣かせるつもりはなかったんだ。ごめん優斗…。泣かないで…」
健は優斗の表情がよく見えるようにソファーから降り、床に跪くと優斗の顔を覗き込み涙を指で拭うが止まらず、どうしてよいのかオロオロしだした。
「……。いいの…?」
「え?」
黙っていた優斗が口を開いた。
「一緒に住んで…いいの?俺、健と一緒に暮らせるの…?」
「あ…、ああ!そう!俺は優斗と一緒に暮らしたい!暮らしたいよ!」
先ほどまでオロオロしていた健の顔が、パーっと明るくなり、優斗の返事を待つ。
「俺も…、俺も一緒に暮らしたい!健と一緒に暮らしたい!」
そう優斗が言い終わらないうちに、健は立ち上がり優斗を抱き上げる。
「本当に!?本当にそう思うのか!?」
「うん!暮らしいたい。健と一緒に暮らしたい!」
涙はポロポロ流れているが、優斗の顔は幸せで仕方ないと笑みが溢れる。
嬉しい。
これから健と一緒にいれる時間が、増えるんだ。
仕事ですれ違いの時間があっても、健と帰る部屋は同じ。
時間を気にせず一緒にいられるんだ。
「一緒に暮らそう。引っ越しは少しずつでも、業者に頼んで1日で済ませてもいい。優斗がしやすい方法でしよう」
健が優斗の頬にキスをすると、優斗は健の首にしがみつく。
「わがままいってもいい…?」
「ん?」
「今日から一緒が…いいな」
照れながら優斗が言うと、今度は健が目を瞬かせ、
「そんな可愛いわがままは、大歓迎」
しっかりと自分に抱きつく優斗の髪に、キスをした。
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