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お泊まりセット、買いに行くんだ〜 ②

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 優斗が姉たち以外の店で服を買うのは、何年振りだろう。
「ここだよ」と健に連れてこられたのは、カジュアルな服が主流の店。シックな服装の健が、この店で服を買っているとは思えなかった。

どうしてここなんだろう?

「この店の前通った時、ここの服、優斗に似合いそうだと思って」
 確かにこの店の服は、重ね着しやすそうだったり、サイズが豊富だったり品数が多かったりと、身長が低く小柄な優斗も好きな服が選べそうだ。

いつも姉さんたに言われるがまま着てたけど、今日は自分で選ぶんだ。
なんだかワクワクする。

 優斗が店内を見て回っていると、

あ、可愛い。

 重ね着風で、肌触りのいいグレーの薄手スウェット生地の服を手にした。サイズはSだと記載されているが、優斗があててみると、肩は落ちたデザインで、袖は指の第二関節まで隠れ、丈も長い。ニットの下からは初めからセットされている、白のロンTが少し見えている。

似合うかな?

 鏡の前で優斗が悩んでいると、
「よくお似合いですよ」
 優斗と同じぐらいの身長、同じぐらい幼く見える、可愛らしい店員が声をかけてきた。
「お客さまは色白ですし、このお色目がよくお似合いです。それに、お連れ様もそれと同じ服を手に取られてましたよ。ほら」
 店員に促されるまま、優斗が健の方を見ると、健は大量の服を持っている。
「!?健どうしたの?そんなに沢山持って」
 健が手にしている服を、優斗が『1、2、3、4…』と数えていくと、上下あわせて9着。
「これ全部、似合いそうだと思って。サイズ感見たいから一回試着してみて」
「これ全部?」
 驚く優斗を尻目に、健と店員は優斗を試着室に連れていく。
「全部じゃなくてボトムスだけでいいよ」
 そう言い渡されたボトムスは、全部で4本。
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