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そんな顔しないで
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「無理すんなよ」
「全部欲しいのに…」
「俺も食べたいから半分こ。な」
「河野くん…」
優斗が卓に言いかけた時、
「『卓』って呼んで欲しい。優斗の時みたいに仕事以外では……」
「‼︎急には恥ずかしいよ…」
「俺には名前で呼んでって言ったのに?」
「…」
「な、お願い…」
少し悲しそうに卓が笑う。
どうしてそんなに悲しそうに笑うの?
俺、何かしたのかな?
「…ありがとう、卓。嬉しかった」
仕事あがりにわざわざ…
また迷惑かけちゃった……
「あ、そうだ。優斗、あのトラウマってなくなった?」
玄関で靴を履き、優斗に背を向けたまま卓が聞く。
「トラウマって、振られた時の?」
「そう、そのトラウマ」
「なくなったよ」
健がなくしてくれたから…
「そっか…。なんだか複雑…」
「え?」
優斗が聞き返す前に、
「それじゃあ明日、店で待ってるから早く元気になれよ」
それだけ言うと卓は帰っていった。
なんだか卓の背中、悲しそうだったな…
卓が閉じた玄関のドアを優斗は見つめた。
「全部欲しいのに…」
「俺も食べたいから半分こ。な」
「河野くん…」
優斗が卓に言いかけた時、
「『卓』って呼んで欲しい。優斗の時みたいに仕事以外では……」
「‼︎急には恥ずかしいよ…」
「俺には名前で呼んでって言ったのに?」
「…」
「な、お願い…」
少し悲しそうに卓が笑う。
どうしてそんなに悲しそうに笑うの?
俺、何かしたのかな?
「…ありがとう、卓。嬉しかった」
仕事あがりにわざわざ…
また迷惑かけちゃった……
「あ、そうだ。優斗、あのトラウマってなくなった?」
玄関で靴を履き、優斗に背を向けたまま卓が聞く。
「トラウマって、振られた時の?」
「そう、そのトラウマ」
「なくなったよ」
健がなくしてくれたから…
「そっか…。なんだか複雑…」
「え?」
優斗が聞き返す前に、
「それじゃあ明日、店で待ってるから早く元気になれよ」
それだけ言うと卓は帰っていった。
なんだか卓の背中、悲しそうだったな…
卓が閉じた玄関のドアを優斗は見つめた。
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