愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

葉月

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優斗の部屋 ③

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大丈夫だと思う?
それって……

「もう少し離れた方がいいですか?」
「いや、そのままがいい。ただ、理性の訓練だと思って頑張るよ……」
長野は苦笑いをした。

『理性の訓練』って、なんだろう?
よくわからないけど、長野さんが大丈夫って言ってるから、大丈夫なんだろう。

優斗は長野の隣に座り直した。


「いくつ入れられますか?」
「1つお願いするよ」
長野が答えると、
「長野さんも、お砂糖入れられるんですね。なんだか一緒っていいですね」
そういいながら、優斗は長野のカップと自分のカップにを1つずつ入れ、長野のカフェラテを混ぜ、そして、自分のも混ぜた。

「こうしてると、お家デートみたいですね」
「‼︎‼︎」
長野は危うく、コーヒーを吹き出しそうになる。
「だって、2人っきりでコーヒー飲んで…。俺、こういうのは憧れてたんです」
「……。俺も優斗としたいとは思ってたけど、こんなに早くに叶うとは思ってなかった…」
長野は優しく微笑むと、優斗の頭をポンポンと叩いた。
「あ!次は家でご飯一緒に食べて、映画みませんか?それも夢だったんです」
優斗が嬉しそうに長野を見上げる。
「それもお家デート?」
「デートです。だって、長野さん『何がしたい?』っていわれたじゃないですか。俺はおうちデートがいいです」
「それはいいけど…」
「え⁉︎いいんですか⁉︎」
優斗の瞳がキラキラと煌く。
「でも、2人が一緒の休みとなると、まだまだ先になるけど…」
「先に…ですか…」
優斗がしゅんと頭をうなだれた。
「あー、もー、そんな可愛いことするな…。じゃあ、優斗と俺が早い上がりの時にしよう。一緒にいれる時間は少ないから、映画、最後まで観れないかもだけど、それでいいだろ?」
「はい‼︎少しだけでも、デートできるのが嬉しいです」
優斗が嬉しそうに長野を見上げた。
「なぁ、優斗…」
「なんですか?」
「あんまり可愛いことばかりするな…」
長野は少し困ったような、でも嬉しいような…そんな表情をしていた。
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