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「侯爵令嬢シエラ!!!私はあなたとの婚約を破棄したくなった!!!」
隣国の第一王子であり、シエラの婚約者で会ったスミスが突然、婚約破棄を通告してきたのだ。
「それは、どういう意味ですか???」
困惑するのは当然のことだった。二人の婚約は、二人だけの意思で決まったわけではない。というより、少なくともシエラの意思は完全に無視されていたのだ。つまりは、政略結婚というわけだ。二国間の緊張緩和のため、つまり、二国がともに平和であることをアピールするための材料だったのだ。
それなのに、いきなり婚約破棄とは何事なのか、誰もが疑問に思って当然だった。
「君はその理由がわからないのかい???ああ、なんて愚かな」
「まさか、私に非があるとおっしゃるのですか???」
冗談じゃない。シエラは自分が悪いことなんて、どこにもないと思っていた。まあ、一万歩譲るとしたら、いつも王子スミスを前にしてもぶっきらぼうだった、ということだろうか。
「君は、あまりにも傲慢な女で、たくさんの人々を虐げていることが分かったのだ!!!そんな人間と婚約したところで、平和のアピールができるだろうか???いいえ、絶対にできないな!!!」
一応、この話は形式的には秘密だった。でも、王子がこうしてぶちまけてしまったことで、全てが明るみになってしまったのだ。しかも、シエラが完全な悪者として描かれることになってしまった。
「私は、何も悪くない!!!」
シエラの遠吠えに似た声が無惨にもホール内に響き渡った。
隣国の第一王子であり、シエラの婚約者で会ったスミスが突然、婚約破棄を通告してきたのだ。
「それは、どういう意味ですか???」
困惑するのは当然のことだった。二人の婚約は、二人だけの意思で決まったわけではない。というより、少なくともシエラの意思は完全に無視されていたのだ。つまりは、政略結婚というわけだ。二国間の緊張緩和のため、つまり、二国がともに平和であることをアピールするための材料だったのだ。
それなのに、いきなり婚約破棄とは何事なのか、誰もが疑問に思って当然だった。
「君はその理由がわからないのかい???ああ、なんて愚かな」
「まさか、私に非があるとおっしゃるのですか???」
冗談じゃない。シエラは自分が悪いことなんて、どこにもないと思っていた。まあ、一万歩譲るとしたら、いつも王子スミスを前にしてもぶっきらぼうだった、ということだろうか。
「君は、あまりにも傲慢な女で、たくさんの人々を虐げていることが分かったのだ!!!そんな人間と婚約したところで、平和のアピールができるだろうか???いいえ、絶対にできないな!!!」
一応、この話は形式的には秘密だった。でも、王子がこうしてぶちまけてしまったことで、全てが明るみになってしまったのだ。しかも、シエラが完全な悪者として描かれることになってしまった。
「私は、何も悪くない!!!」
シエラの遠吠えに似た声が無惨にもホール内に響き渡った。
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