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その6

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「世の中にはまだアンチジャスティスがいるんです!」

「この世界の真のジャスティスを求めて!」

「我らトリオジャスティス!」

「はいはい、みんなありがとう……」

思いがけない仲間を、私は見つけることができました。勿論、報酬は払いますよ?

現在、私のお父様はラックの父と、王宮の高官たちを制圧しました。お父様の行動によって、彼らの運命が決まるのです。ですから、仲間になってくる三人の下級令嬢に高位の地位を与えてやることなんて、簡単です。

「私たちは偉大な仕事がしたいのよ!この世界に蔓延る悪を粉砕するアンチジャスティスよ!!!」

この意気込みを買いました。

「アレックス様に復讐したいのよ」

私が今まで受けてきた仕打ちを全て説明すると、トリオは、

「私たちも協力するわ!」

と言いました。名前だけ紹介しておくと、サン、シン、スンです。一種のコードネームですね。

「ありがとう。成功したら、王宮貴族の子息とそれぞれ婚約させてあげるわ」

私はお父様を通じて、上位貴族との婚約を取り付けました。

「それと……まずは、アレックス様にかぶりついた泥棒猫を探さなくてはならないわね……」

私がこう言うと、

「任せて。そういうの得意だから!」

とサンが言いました。

「私たちのネットワークは帝国全土になるのよ!すぐに見つけてくるわ!」

最初は半信半疑でしたが、アンチジャスティスの実力は想像以上でした。翌日になると、アレックス様が惚れ込んでいる女の名前を割り出すことに成功しました。

「カーチャ・クレイトン?クレイトン公爵の娘さん?」

「さすがですね。その通りです」

私の予想から遥かに外れていました。カーチャと一度だけ話をしたことがあります。私が言うのもあれですけれど、とてもアレックス様の相手をすることはできないと思いました。私以上に自己中心的で、気遣いとか、そういう令嬢の嗜みを全く心得ていないじゃじゃ馬なんですから。

でも、どんなことがあろうと、証拠がある以上、動かないわけにはいきません。お楽しみの材料が着々と増えていきます……。
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