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修道院までの片道旅行は中々楽しいものだった。そこそこ大きな馬車に私を含め、数名の令嬢が居合わせた。言うまでもなく、みんな同じ運命だったのだ。みんな、声には出さなかったが、同じ運命であることを知り、なんとなく一体感が生まれていた。そのうち、私の隣に座っていた令嬢が、少しだけ話を始めた。

「やっぱり、一度好きって言われた人から突然婚約破棄を宣告されるのって……なかなか辛いですよね……」

彼女もまた、私と同じ思いをしたのだ。まあ、こう言うことはいつの時代にもあるし、誰かが外れくじを引くようなものだから、仕方がないと言えばそれまでのことなのだ。

「ええ、確かに……」

私はそれだけ……短く答えた。明日から……このまま修道院での生活が始まる。私を含め、他の令嬢たちもまた、新しい人生のスタートラインに立つのだった。

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