最強の薬師、婚約破棄される〜王子様の命は私の懐の中〜

岡暁舟

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その21

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「後は……君の前で死ぬのを待つだけだ……。私は君を殺そうと、この水に毒薬を仕込んだ。そして……この通り死んでいくんだ……」

「どうして?君が死んでどうするんだ?娘さんは……」

「これは、君に残す最後の罰だ……。自分自身に正直になれってことさ。君があの時教えてくれたみたいにな……。ああ、寒くなってきたな。なんだか心地がいいぞ……。私は最初から君のことを疑っていた。君は……それも一瞬の迷いかもしれないが、それはいいんだ。私も君に同じようなことをしただろうさ……。さあ、君の腕を貸してくれないか?どうしたんだ?泣く必要なんてないじゃないか?君は私のことを恨んでいたじゃないか?ほら、最後に一発殴ったっていいんだぞ……」

「誰が殴るんだ?このバカが!」

「そうだ、もっと怒れ!ホフマン、こんな私を怒ってくれ……後は好きにしてくれ……。でも、あの世ですぐにリンプルと会うことだけは避けたいんだ……。できれば、あいつに新しい世界を見せてやりたいな……。そうだ、北の方に流してくれないか?あそこには私の知り合いがいて……あいつの面倒を見てくれる…はずだ……」

「おい、ボアジエ!!!しっかりしろよ!」

「もういいんだ。リンプルが幸せになれないのは、私の娘だからかな。私の因果かな?そうなのかい?ホフマン。ありがとう。最後に……私は自分の罪を自分で裁くことができて良かったと思っている……。そして、ホフマン、君を殺さずに済んで……本当によかった…………」

「おい、ボアジエ!しっかりしろよ!どうしてこんなことに……」

ホフマン公爵には、このとき始めて、後悔の念が芽生え始めた。
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