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「今から面白いものをお見せしましょう……」

 ブラウン公爵が言うと、やはり僕の予想が当たってしまった。招かれざる客人……幼馴染の変わらない姿であった。

「ああ、丁重にご案内しろ。なんと言っても、ロビンソン公爵殿の伴侶になるお方なのだからな……」

 ブラウン公爵……なかなかナイスだと一瞬思った。いや、腹黒であることに間違いないが、その結果はお互いにとってマイナスではないのだ。ブラウン公爵はアンナ様と婚約したい。そして、僕はやはりアンナ様ではなく、メリーを伴侶にしたかったのだ。

「ロビンソン殿の伴侶ですって!!!」

 アンナ様が金切り声を上げた。メリーはアンナ様と対峙して怯えていた。

「そんな…ことがあるわけないでしょう!」

「アンナ様、落ち着いてください。第一王女様がみっともないですよ」

「みっともないとか、そう言う問題ないじゃないでしょう!」

 アンナ様の怒りに割って入ったのが、皇帝陛下であった。

「まあまあ、アンナ。そんなに怒るな!そちらのお方の話も聞いてみようか……」

「そんな、お父様はどうしてそんなに冷静なのですか?大問題ですよ!」

「……どちらにしても、ロビンソン殿の意見も聞かないといけないからな。総合的な判断でいいんじゃないか?」

「皇帝陛下、ありがとうございます。それでは、こちらの女性にお話してもらいましょうか…」

 メリーはそもそも貴族ではない。皇帝陛下に会うことなんてないし、緊張して話すことが出来なかった。まあ、当然のことだろう。

「どうしたのですか、さあ、早くお話してください!」

 メリーはブラウン公爵に捲し立てられて、ますます萎縮していた。

「どうしたんだ、さあ早く!」

 メリーがなかなか声を出さないので、ブラウン公爵はメリーに詰め寄って怒鳴りつけた。

「さあ、早くするんだ!」

 次の瞬間、僕は懐から小刀を抜きブラウン公爵の足元に向けた。

「何をしている、貴様に発言を許可しているんだ!早くしろ、ロビンソン公爵を誑かす女だと言ってしまえ!」

 誑かす……決めた。スッキリした。僕は小刀を投げつけた。ブラウン公爵の鼠径にヒット!ブラウン公爵は「ぎゃあああっ!」と声を出してその場に倒れてしまった。殺す…殺してやる…僕はロビンソン公爵の元に近寄った。

「おいおい、何をするんだ。ここは皇帝陛下のいらっしゃる場所だぞ。そんなところで武器を持ち出すと…どうなるか分かっているだろうが!」

 その通り、王宮での武器使用は厳禁であり、罪はそれなりに重い。過去の例だと永久追放となることもあるくらいだ。そうだとしたら上等である。僕は自分が馬鹿にされる以上に、メリーを罵りバカにする人間が許せなかったのだ。



 この事件に、人々はどう立ち向かっていくのか?
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