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「とにかく、この件については早急に王宮会議へ諮ることとしよう。まあ、結果は決まっているのだがな!」

「お父様、ありがとうございます。よろしくお願いいたします!」

「ああ、お前の笑顔を久しぶりに見れて、私も安心したぞ!」

 結局、皇帝陛下は本来の目的であった病院視察の時間の大半をアンナ様とのやり取りに費やしてしまった。公衆の面前で繰り広げられたこのやり取りは王宮で瞬く間に広がっていき、後々様々な問題が生じることとなった…。

 さて、皇帝陛下が病院を後にすると、アンナ様が兵隊を招集し命令を下した。その内容は…言うまでもない。

「3日以内…3日以内よ!ロビンソン殿の居場所を見つけて王宮までお連れすること。これは、私だけではなくて皇帝陛下の御意思でもあるから勅命よぉ!」

 勅命とならば、兵隊たちは従うよりない。近衛師団を始めとして各方面から兵隊を集め、総勢100名程度の部隊がすぐさま編成されたようだ。そして…僕はこれから屈強な兵隊たちから逃げる(?)運命にある。冷静に考えてみると、僕はやはり皇帝陛下になるよりも、地元に戻って静かに生活するのが性に合っていると思った。その伴侶は…やはりメリーだ…。

「いい?ロビンソン殿を捕まえた者には爵位を差し上げるわ!さあ、気合を入れて捜索するのよ!」

 アンナ様は本気だった。まさか…まだ近くにいて隠れているとは思わなかっただろう。灯台下暗しといったところか。兵隊たちはおおっ!と雄叫びを挙げて捜索活動を始めた。

「ひょっとして…あなたがロビンソン様…ですか?」

 受付の女性に質問された。一瞬血の気が引いた。僕は特に答えずに病院を去った。早く地元に帰らねば。城に戻ればなんとかなるだろう…なんて陽気に考えていた。



 国家を巻き込む壮大な鬼ごっこが始まった!
 
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