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その3

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「ミカ……どうしてここに???」

ミカが二人の前に姿を出したので、ミカエリスは思わず質問してしまった。

「だって……旦那様をいじめているから……この女……」

そう言って、ミカは聖女ケインをまっすぐ指さした。

「ああ、農民っていうのは、どうしてこうもしつけがなっていないのかしらねえ……。ねえ、ミカエリス殿???私に対する狼藉がどれくらい罪深いことか……少なくともあなたは分かっているわよね???」

「なんのことだか……」

ここまで来ては最後までとぼけるしかない……ミカエリスはそう思っていたが、もはや、聖女ケインを目の前にして戦うことは不可能に近いと思った。

「いい加減にしなさい!!!ミカエリス!!!」

聖女ケインは叫んだ。すると、少女ミカは、

「旦那様をいじめないで!!!」

と再び叫ぶのだった。

「ああ、この世界の理がだんだんわからなくなってきたわ……さあ、早く消えてしまいなさい!!!」

そう言って、聖女ケインは、少女ミカを追放しようと試みた。

だが、そこに待ったをかけたのが、ミカエリスだった。

「あなたは……本当の聖女ではありませんね???」

ミカエリスは不意にこう言い始めた。

「何ですって???」

聖女ケインは聞き返した。

「いや、ですから、あなたは本当の聖女ではありませんね???」

「あなた……血迷ったの???私は聖女ケインよ!!!」

聖女ケインはいよいよ怒り出した。

「聖女であることを認定するのは、我々王家の仕事です!!!その王家の人間……私に歯向かうということは、あなたは聖女ではないです!!!」

こじつけ理論を言い放って、ミカエリスは何とかこの場を乗り切ろうと考えた。

「あなた……なにバカなことを言っているの!!!!」

当然、聖女ケインは納得しなかった。納得できるはずなかった。

「あなたが聖女でなければ……私はこれ以上あなたと婚約する必要なんてありません!!!あなたは偽の聖女なのです!!!だから……私はあなたとの婚約を破棄します!!!!」

ミカエリスは押し切った……。はずだったが、聖女ケインの逆鱗にいよいよ触れてしまうことになった。

「あなたって人は……それならば仕方ありませんねえ……。あなたという人間を完璧に抹殺するよりありませんねえ!!!」

ミカエリスに勝ち目などない……この状況からして、誰もがそう思うはずだった。

しかしながら……そこに思わぬ助っ人が入ったのだった……。
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