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「既にスパイが紛れ込んでいる可能性もあります……」

シュード子爵はそう言った。

「スパイだって???どうして???」

「それは……あなた様が戦争を仕掛けたからでしょう」

「ああ、つまり敵国からスパイがやってくると……そういうことかね???」

「それ以外にありますか???」

「まあ……ないかな……」

ザイツ様はようやく納得した。時間がかかりすぎているようだ。それにしても、こんな簡単な話すら考えられないなんて、確かにどこかの誰かが言ったように、彼はこの国の新しい皇帝となることができるのだろうか。私ですら、それに関しては疑問に感じずには居られなかった。

「でも、私たちは負ける事はないんじゃないかな???」

「どうして、そのように楽観的に考えることができるのでしょうか???」

シュード子爵は再び呆れることになった。当然のことだろう。私もこのように言われてしまっては、呆れてしまうと思う。

「逆に質問させてもらうけれども、隣の国からたくさんの兵士が押し寄せてきたとでも言うのかね。君はそのような情報を持っているのかね???」

「いいえ、そのような事はございませんが」

「だとしたら、何も心配する必要はないだろう。だって、仮にこの国に乗り込んできたとしても、少数の兵士で私たちを倒すことなんてできるわけないじゃないか……」

「確かに、普通に考えればそういうことになりますかね……」


ザイツ様が新しい皇帝となるまで、ちょうど1週間となった。私はローレンスとともに新しい未来の想像を……そして、シュード子爵は再び新しいメイド達と夜を共に過ごすことになったわけで、そこでいろいろな話をしたようだった。

「この世界は、このままだとやはり滅びるかもしれないな」

彼もまた確信しているようだった。そして、ピーター将軍の足音が迫っていた……。
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