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「やっぱり緊張しているのかい???」
ザイツ様は不気味なほど優しかった。まあ、実際のところ緊張していないと言えばうそになった。
「そうですねえ……少しだけ……」
「そうだろうな。私も緊張しているよ。その……最初の時は上手くできなかったから……」
確かに、最初は大失敗だった。仕方なかった。私のような容姿では男は亢奮しないのだ。いくら、形式的な子作りであっても、一時は女に亢奮しないと、男は子種を注ぐことができないだろうから。
「でも、今日はゆっくりやろうじゃないか……」
ゆっくりやる……それならば少しは安心できるだろうか。
そんなことを考えながら、私は横になった。
「ああ、こうして見ると……君は時に魅力的だなあ……」
時に魅力的……でも実際のところはほとんど魅力的じゃないだろう。
私たちは約束通り裸になって肌を重ねた。ザイツ様は非常に美しかった。女である私が羨ましがるくらいに。
「あんまり見られると恥ずかしいかな……」
ザイツ様が恥ずかしがると、私はかえって恐縮してしまう。
「申し訳ございません……」
「別に謝る必要はないよ。ああ、君もまんざらではないな……」
「ありがとうございます……」
「さあ、ゆっくりと私を受け入れてくれ……」
私のお腹の中に……ザイツ様の子種を注ぐことになる。
ザイツ様はある程度準備できたようだった。私はと言うと……ある程度は準備できた。
「ザイツ様。私をもっと抱いてください……」
主導権はザイツ様固定……私には権利がなかった。最も、最初から必要としなかったわけだが。
ザイツ様は不気味なほど優しかった。まあ、実際のところ緊張していないと言えばうそになった。
「そうですねえ……少しだけ……」
「そうだろうな。私も緊張しているよ。その……最初の時は上手くできなかったから……」
確かに、最初は大失敗だった。仕方なかった。私のような容姿では男は亢奮しないのだ。いくら、形式的な子作りであっても、一時は女に亢奮しないと、男は子種を注ぐことができないだろうから。
「でも、今日はゆっくりやろうじゃないか……」
ゆっくりやる……それならば少しは安心できるだろうか。
そんなことを考えながら、私は横になった。
「ああ、こうして見ると……君は時に魅力的だなあ……」
時に魅力的……でも実際のところはほとんど魅力的じゃないだろう。
私たちは約束通り裸になって肌を重ねた。ザイツ様は非常に美しかった。女である私が羨ましがるくらいに。
「あんまり見られると恥ずかしいかな……」
ザイツ様が恥ずかしがると、私はかえって恐縮してしまう。
「申し訳ございません……」
「別に謝る必要はないよ。ああ、君もまんざらではないな……」
「ありがとうございます……」
「さあ、ゆっくりと私を受け入れてくれ……」
私のお腹の中に……ザイツ様の子種を注ぐことになる。
ザイツ様はある程度準備できたようだった。私はと言うと……ある程度は準備できた。
「ザイツ様。私をもっと抱いてください……」
主導権はザイツ様固定……私には権利がなかった。最も、最初から必要としなかったわけだが。
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