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「マリア……緊張しているのか???」

夕食時、ザイツ様はいつもよりも親密だった。いつもだったら、食事のときは非常に静かだった。食事の際に話しかける、かけられることをザイツ様は嫌っていたのだ。それはマナーが悪いから、ということだった。

それを心得ていたから、私はこのまま返事をしていいのか迷ってしまった。でもまあ、ザイツ様の方から声をかけてきたのだから、こちらが話しても問題はないと思った。

「いいえ、そのようなことはございません……」

私たちに食事を提供するメイドたちも、私の言動一つ一つに目を光らせているようだった。つまり、全てが興味深いわけだった。そして……これから子作りとなるわけだから。

「そうか、あんまり食事が進まないようだが……美味しくないのかな???」

このように気遣ってもらうことなんて、今までなかったから、私はなんとも不思議な心地になった。

「いいえ、そのようなことはございません」

「そうか???それならばいいんだが……」

ザイツ様に見つめられると、やっぱり緊張してしまうのだ。その必要はないのかもしれない。私はザイツ様の伴侶であるんだから。夫婦が夜に子作りをするのは当然のことなのだ。むしろ、私はザイツ様の子供を産むための存在であるのだから……。

「食事が終わったら……寝室に行こうか???」

ここに至り私は少し奇妙だと思ったのだが……ザイツ様は私に亢奮するのだろうか???私みたいな容姿で興奮するのだろうか???いくらベッドを共にしても……あの時みたいに全く亢奮しなかったら、何も意味がないと思うのだが……。

「はい、ありがとうございます」

「私は先に行っているからな……」

そう言って、ザイツ様は一足先に寝室へ行った。

「はあ、緊張するわ……」

こんな私の独り言を聞きつけた高位メイドたちが私の元に歩み寄り、

「マリア様、ファイトですわ!!!」

と意気込んでいた。彼女たちが意気込んでも仕方のない気がしたんだが……。

実際のところ、私が子作りに失敗したら……その時には彼女たちに出番が回って来るのだろうか???そんなことも考えながら、私は大部遅く、食事を終えることにした。
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