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「そんなことをしてしまったら、この際だから言っておきましょう。あなたはただむしゃくしゃしているだけでしょう。彼に捨てられてしまったのですか???」
しっかりと言っているのか……そうだとしたら余計にむかついた。
「ボリス様が悲しむようなことをしてしまって、あなたは申し訳ないと思わないのですか???」
きれいごと並べるな……私は声を大にしていいたかった。
「そんなことばっかりやっているから、ボリス様はあなたを見放してしまうんじゃないですか」
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい……。
彼はもう私の世界にはいない。彼は一切関係ないのだ。
「悲しいんですか。でも、仕方ないですよね。あなたが何かしたところで、今更変わらないですよね」
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!
わたしに逆らうな……わたしに歯向かう人間は万死に値するのだ!!!!!
「わたしをこのまま殺してしまったら、それは結構なことかもしれませんが、胡散臭い正義を信奉するあまり、大局を忘れてしまったら、それは全く意味がないってことになってしまいますから……まあ、それでも良いとおっしゃるのでしたら、どうしてくださいな。別にわたしが何か困ることなんて、特にはないですからね……」
彼は最後にこう言い残した。
「この蛮行は……必ずやボリス様の耳に届きますよ。そうすると、あなたの立場はますます大変なものになってしまう……」
彼はボリス様につながっているのか……それとも、これは単純に彼の出まかせなのか……まあ、どちらにしても、わたしにとっては大した差なんてなかったのだ。
「なんてことだ……」
この一件は、のちにボリス様の耳元に届くこととなった。
「ナターシャが全てしでかしたことなのか……」
ボリス様は困惑したそうだ。
「あの女……とうとうやらかしましたわね!!!!!」
噂を聞きつけたのは、ボリス様の正当な婚約者であるエリス……そして、私の身柄確保とか、そういうことを考えだしたに違いない。
「政治の裏金が正義に反するとか……誰が言ってるんだか。形だけでもボリス様の婚約者になれたのは、金があったからでしょう。それを忘れて神様気取りとか……本当にバカバカしい!!!!!」
エリスにとっても、わたしを葬り去るいい理由となったわけだ……。
しっかりと言っているのか……そうだとしたら余計にむかついた。
「ボリス様が悲しむようなことをしてしまって、あなたは申し訳ないと思わないのですか???」
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うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい……。
彼はもう私の世界にはいない。彼は一切関係ないのだ。
「悲しいんですか。でも、仕方ないですよね。あなたが何かしたところで、今更変わらないですよね」
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!
わたしに逆らうな……わたしに歯向かう人間は万死に値するのだ!!!!!
「わたしをこのまま殺してしまったら、それは結構なことかもしれませんが、胡散臭い正義を信奉するあまり、大局を忘れてしまったら、それは全く意味がないってことになってしまいますから……まあ、それでも良いとおっしゃるのでしたら、どうしてくださいな。別にわたしが何か困ることなんて、特にはないですからね……」
彼は最後にこう言い残した。
「この蛮行は……必ずやボリス様の耳に届きますよ。そうすると、あなたの立場はますます大変なものになってしまう……」
彼はボリス様につながっているのか……それとも、これは単純に彼の出まかせなのか……まあ、どちらにしても、わたしにとっては大した差なんてなかったのだ。
「なんてことだ……」
この一件は、のちにボリス様の耳元に届くこととなった。
「ナターシャが全てしでかしたことなのか……」
ボリス様は困惑したそうだ。
「あの女……とうとうやらかしましたわね!!!!!」
噂を聞きつけたのは、ボリス様の正当な婚約者であるエリス……そして、私の身柄確保とか、そういうことを考えだしたに違いない。
「政治の裏金が正義に反するとか……誰が言ってるんだか。形だけでもボリス様の婚約者になれたのは、金があったからでしょう。それを忘れて神様気取りとか……本当にバカバカしい!!!!!」
エリスにとっても、わたしを葬り去るいい理由となったわけだ……。
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