気まぐれな婚約者に振り回されるのはいやなので、もう終わりにしませんか

岡暁舟

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「よう、ナターシャ!!!今日も不細工だな!!!」

不細工と言われて……恐らく今日で1000回目くらいか。いや、もっとかもしれない。

「ボリス様……折り入って話がございます」

「おう、なんだ???なんでも言え!!!」

「はい、では質問させていただきます。ボリス様は……私のことを正式な婚約者と認めてくださっているのですよね???」

「ああ、その通りだ」

この程度の発言で安心することはできない。私は質問を続けた。

「つまり、私を正妻として迎え入れると……こういうことでよろしいのですね???」

「ああ、その通りだ」

「では、私以外に他の令嬢様を……側室などに迎え入れる可能性などはございますでしょうか???」

「まあ、そうだな……。お前よりも美しい女がいれば、その場合は検討するかもしれないな。だって、お前は不細工すぎて抱く気分にならないからな!!!」

「不細工……ええ、その通りでございますね。その場合……事前に私の方にご一報いただくなんてことはございますでしょうか……???」

「お前に知らせる必要があるのか???どうしてだ???側室を持つかの判断は、全部俺が決めることだ。お前の意見なんてどうでもいいだろう???」

「まあ、おっしゃる通りですが……」

「話はそれだけか???今日はこれからやることがたくさんあってだな……」

ボリス様と話をしている間に思わぬ邪魔が舞い込むこととなった。


「ボリス様!!!」

この声は……私の予感が当たった。私の視線の先には、公爵令嬢のエリスがいた。

「おう、エリス!!!今日も可愛いなあ!!!」

「はい、ありがとうございます!!!」

私には不細工と言い、彼女には可愛いと言う……この違いは何だろうか???答えは一つでその容姿だ。ただ、それほど差があるのか、個人的には疑問だったけど。

「あの……そちらにいらっしゃるのは……ひょっとしてナターシャですか???」

ひょっとしなくてもナターシャである。そして、彼女は間違いもなくエリスだった。

「ええ、その通りよ。エリス、久しぶりね」

「ええ、本当にお久しぶりですわ!!!と言っても……どこかでお会いしましたっけ???あなたのような平均顔の令嬢なんて腐るほどおりますからね、忘れてしまいましたわ!!!」

このかりそめ夫婦は、どうしてこうも人を苛立たせる天才なのだろうか???それが趣味なのか???

まさか……そんなはずはないよね???

人に興味を抱くことなんてほとんどなかった。でもね、このままだとなんだか自分の立場が大変なことになると思って……私は初めて心配し始めた。
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