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パンツ
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あれだけ遠かった彼女の姿が、今は近くにあるんだ。だから、僕はすぐさま彼女の後を追いかけて、彼女がどんなパンツを履いているのか、それを今から確かめようと思っているんだ。どうしてそんなことをするのかって、遠い過去にさかのぼってみると、彼女と僕の交わした約束、それを覚えているのか、手っ取り早く確認する方法だと思ったからだ。
「あら、ずいぶんと懐かしい顔じゃない」
「覚えていたのか。僕のことを」
「忘れるわけないでしょ。だって、私の人生の中で、パンツを覗かれたのは、あなたが最初で最後だったから」
「それは非常に光栄な話だね」
「本当にそう思っているの。実際はそんなことないと思うけど」
「いやいや、案外そんなもんじゃないのかな。正確にはよくわからないけど。結構そんなもんだったりするんだよ」
「そうかそうか。でも、やっぱりあなたは元気そうじゃない。他の女でも誘ってみたの」
「いや、そんなことはないさー。あくまでも、僕は一途なんだから」
「そうなんだ。やっぱり昔から変わっていないのね」
「ところでさぁ、昔言ったこと覚えてるかな」
「何かしら」
「いや、いいんだ。なんとなくわかっているから。わかっている。そう、君は今日も青いパンツを履いているはずなんだ」
「どうしてそんなことを急に言い出すのかしら。やっぱり、あなたは頭がおかしいんじゃないの」
「それは最大の褒め言葉として受け止めておこう。どうだい、あの時みたいに、見せてくれないだろうか」
「少し恥ずかしいわね」
「少し、と言う事は全く恥ずかしいわけではないんだね」
「それは屁理屈って言うんじゃないかしら」
「そうかもしれないね。ああ、でもこの世界はなんとなく、僕にとっては都合の良い世界になっているから、もうじき風が吹くんじゃないかな。そうすると、君の白いスカートがめくれて、パンツが見えるって言うことになるんじゃないかなって期待しているんだ」
「冗談でしょう。いくらなんでもそんなに都合がいいわけないでしょう」
彼女がそんなことを言っていると、ある意味この世界は怖いと思った。確かに風が吹いてきて、彼女のスカートがめくれてしまったのだった。
「あー、やっぱり君はいつもと同じ色のパンツを履いているんだね」
僕は静かにそう言った。
「悪いかしら」
「いや、むしろ僕にとってはとても都合が良いかもしれない」
「あなたって、やっぱり頭がおかしいのね」
「ありがとう。やっぱり君はいつも僕を褒めるのがうまいね」
「別に褒めているわけじゃないんだけどね」
彼女は笑って、そして僕も少し笑った。
「あら、ずいぶんと懐かしい顔じゃない」
「覚えていたのか。僕のことを」
「忘れるわけないでしょ。だって、私の人生の中で、パンツを覗かれたのは、あなたが最初で最後だったから」
「それは非常に光栄な話だね」
「本当にそう思っているの。実際はそんなことないと思うけど」
「いやいや、案外そんなもんじゃないのかな。正確にはよくわからないけど。結構そんなもんだったりするんだよ」
「そうかそうか。でも、やっぱりあなたは元気そうじゃない。他の女でも誘ってみたの」
「いや、そんなことはないさー。あくまでも、僕は一途なんだから」
「そうなんだ。やっぱり昔から変わっていないのね」
「ところでさぁ、昔言ったこと覚えてるかな」
「何かしら」
「いや、いいんだ。なんとなくわかっているから。わかっている。そう、君は今日も青いパンツを履いているはずなんだ」
「どうしてそんなことを急に言い出すのかしら。やっぱり、あなたは頭がおかしいんじゃないの」
「それは最大の褒め言葉として受け止めておこう。どうだい、あの時みたいに、見せてくれないだろうか」
「少し恥ずかしいわね」
「少し、と言う事は全く恥ずかしいわけではないんだね」
「それは屁理屈って言うんじゃないかしら」
「そうかもしれないね。ああ、でもこの世界はなんとなく、僕にとっては都合の良い世界になっているから、もうじき風が吹くんじゃないかな。そうすると、君の白いスカートがめくれて、パンツが見えるって言うことになるんじゃないかなって期待しているんだ」
「冗談でしょう。いくらなんでもそんなに都合がいいわけないでしょう」
彼女がそんなことを言っていると、ある意味この世界は怖いと思った。確かに風が吹いてきて、彼女のスカートがめくれてしまったのだった。
「あー、やっぱり君はいつもと同じ色のパンツを履いているんだね」
僕は静かにそう言った。
「悪いかしら」
「いや、むしろ僕にとってはとても都合が良いかもしれない」
「あなたって、やっぱり頭がおかしいのね」
「ありがとう。やっぱり君はいつも僕を褒めるのがうまいね」
「別に褒めているわけじゃないんだけどね」
彼女は笑って、そして僕も少し笑った。
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