第一王子と見捨てられた公爵令嬢

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「戦争が終われば……戦争が終わってしまえば、ザイツ様は私の元に帰って来るのかしら？？？」

私はふと、そんなことを考えた。国力では我が国の方が圧倒的に強いのだが、隣国は隣国で激しく抵抗しており、すぐに勝利とはいかないようだった。つまり、この戦争は泥沼化することが予想された。

だったら、早く我が国の方から戦争を終わらせてしまえばそれでいいんじゃないかしら？？？私はそんなことを考えた。そうすればザイツ様が帰ってきて……どうせ冷え切った夫婦関係は変わらないけど、なんとかなるんじゃないか……私はそんなことを考えた。

「そうよ……戦争が終わってしまえば……ザイツ様は私の元に帰って来る……」

私は戦争を終わらせる方法を考えた。つまり……この国が内部から崩壊すれば終わるかも……なんて、恐ろしいことを考えてみた。内部から崩壊……そのためには皇帝陛下に退場してもらえばいいのか？？？

私は案外短絡的だった。でも、早く話を進めるのにはこうするのがベストだと思ったのだ。

皇帝陛下の抹殺……私は考えた。殺してしまえば……内部から崩壊し戦争は終わる。そうすれば、ザイツ様は私の元に帰って来る。そうすれば……お父様の言っていた未来を描くことができるのだ。それでいいんでしょう？？？

私はすぐさま準備を考えた。どのようにして抹殺するか。そして……一人で行うのは無理だから協力者を得ないといけない。誰か……協力してくれる人はいないか。私は内密に探し回った。国の中枢で皇帝陛下に反感を抱く人間、それを探す最も効率的な方法は？？？

私は王立図書館に向かった。元々読書や空想が好きだったこともあり、嘗ては常連だった。今となっては専用の書庫を与えられているため必要はなかったが、探し物のためにやって来たのだった。

「これはこれは……珍しいお客様ですね……」

私の姿を見て、すぐさま反応したのが館長のローレンスだった。