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もちろん、話の内容としては全く持って下らないものがほとんどだったはず……でも、ザイツ様はザイツ様で興味を持ち、よく聞いていたそうだ。

「ザイツ様の妃って言うのは……マリア様って言うんだとよ!!!」

「マリア様だって???ああ、随分と良い名前じゃないか。大層お美しい方なんだろうなああっ。なんせ、次期皇帝陛下の妃様なんだからな!!!!」

当然、私のことを知らない彼らは、空想で私のことを思い描いている。普通に考えれば、この世界で最も美しい女性、となるのが当然だった。

「ところがよ、どうもそうでないみたいだぜ!!!!!」

この手のゴシップネタに詳しそうなある青年が話し始めた。

「何でも、ザイツ様は美しい女を好まないそうだ!!!!なんでかって???それはな、美しい女が妃になっちまったら、頭の中がその女のことでいっぱいになっちまうだろう???そうするとさ、自分で政治を行うことができなくなるから???とかなんとか言っちゃってさ!!!!」

「おいおい、どれだけくそ真面目なんだよ!!!!」

兵士たちはゲラゲラと笑いだした。もちろん、ザイツ様は彼らの話声を全て聞いていた。さすがにまずいと思ったのか、ザイツ様の側近たちが、

「おい、お前ら!!!!不敬だぞ!!!!少しは口を慎め!!!」

と怒った。それをすぐさまザイツ様が制止した。

「ああ、気にする必要はありません。これで少しでも場が和むんだったら……悪くはないでしょう……」

ザイツ様はこう言って、彼らに話を続けさせた。

「それはそうと……俺たちはこれからどうなるんだろうなあ……」

「どうなるって???」

「だからさ、このまま戦争が続いたら、どうなるってことだよ」

「それは……どうしようもないんじゃないか???」

戦争の話になると、途端に兵士たちは静まり返ってしまった。どれほど血気盛んであっても、この後自分が死ぬかもしれない恐怖……それは誰もが感じることだった。

「とにかくさ、まずは早いところザイツ様の元に娘を差し出そうぜ!!!」

一部の兵士たちは、なんとかザイツ様の元へ女を差し出すことができないか、考えることにしたようだ。













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