第一王子と見捨てられた公爵令嬢

岡暁舟

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「それで、お話とは何でしょうか???」

私の態度は……少しつっけんどんだっただろうか。別に意識していたわけではなかった。ただ何となく。

赦してくれるよね???だって、ザイツ様が私のことをそんな感じに扱ってきたのだから。

「申し訳なかった……」

ザイツ様はそう言って、私に謝罪をした。

「それは……どういう意味でしょうか???」

もちろん、どうしてザイツ様が謝罪するのか、私には分からなった。

「だって……寂しかっただろう???最近、私が君の相手を十分できていなかったから……」

「なるほど……そう言うことですか」

「ああ、申し訳ないと思っている……」

「だって……あなた様が戦争のことばかり考えていらっしゃるから、仕方ないんじゃないですか???」

私は少し皮肉交じりに言ってみた。

「戦争のこと……ああ、それは大した問題じゃない」

「いやいや、大した問題でしょう……」

「そう思うか???まあいい。それはどのみち、君には関係ない話なのだから……」

関係ない……とてもそうには思えなかった。でもまあ、本人がそう言っているのだから、これ以上追求する必要もないと思ったのでやめた。

「それでだ……この戦争が我々の勝利に終わることはほぼ確実なのだが……私はこれから戦争の前線に行こうと思っているんだ……」

やはり、噂通り……私はそう思った。

「その理由は???」

一応気になって質問してみた。

「大将が安全なところにいたら、兵士の士気が下がるってものだろう???」

まあ、言われて見ればその通りだ。最も、戦争なんて最初から反対だから、どんな結論にせよ、とっとと終わってほしいと思いながらも。

「まあ、そう言うことだから。寂しいかもしれないが……」

ザイツ様は最後にこう言った。

「私は今でも、君のことを最良の伴侶だと思っている。君が私のことをどう思っているか……それは分からない。でも、君がもし、私のことを嫌いになってしまったのならば、後は適当にやってくれていいから……」

ザイツ様の言葉をそのまま信じるならば、私の方が悪者のように思えた。

どうしてなんだろう???私には理解できなかった。
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