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その12
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「随分とうなされていましたが、どんな夢を見ていたのですか?」
「……何でもないわ」
「……」
……まさか、あなたと結ばれることができる夢を見るなんて言えないよね。
「それよりも、今日は何日かしら?」
「今日の日付ですか?」
「ええ」
「3月15日の日曜日です」
「……」
「姫様?」
「なんでもないわ」
「本当ですか?」
「ええ」
「そうですか。朝食の準備ができていますよ」
「わかったわ」
「早く着替えてきなさい」
「はーい」
……あれは本当に夢だったのかな?
「姫様。準備は終わりましたか?」
「あと少しで終わるわ」
「わかりました」
「ねえ、アリス」
「なんでしょうか?」
「私が寝ていた時、誰か来なかった?」
「いえ、誰も来てませんよ」
「そう……」
「どうかしましたか?」
「ううん。ただの確認よ」
「確認ですか?……それより、急いでくださいね」
「わかっているわ!」
……結局、誰が来たのかはわからないまま、その日が終わった。
「レイラ様!」
「何かしら?」
「実は、お話がありますので、生徒会室まで一緒に行きませんか?」
「ごめんなさい。この後、用事があるから、また今度でも良いかしら?」
「わかりました。それでは、失礼します」
「ええ、気をつけて帰ってね」
「はい!さようなら!」
彼女は一体、何を話したいのだろうか?まあ、いい。私には関係のないことだし……。それよりも、私は帰る準備をしなくては。
「アリス」
「はい。どうされましたか?」
「帰りましょう」
「かしこまりました」
……そして、私たちは帰路についた。
「ふぅ~」
「姫様。風呂に入っていますか?」
「ええ入っているけど……」
「しかし、長いことですが」
「入らない方が体が冷えてしまうわよ」
「はあ~……確かにそうかもしれませんね。冷えないうちに入ってくだざい」
「ええ、わかっているわ」
……本当は入りたくないけれど、仕方がないわよね。……それにしても、本当に嫌な夢を見たものだわ。
「姫様」
「なに?」
「やはり、お疲れなのではないのですか?」
「大丈夫よ。心配しないで」
「それなら、よろしいのですが……」
「そんなことより、明日は学校があるから、ちゃんと用意しておきなさい」
「はい。承知しております」……その日の夜はなかなか眠れずにいた。
……まあ、当たり前よね。あんな夢を見てしまえば、普通はそうなるわよね……。
「姫様!起きてください!」
「ん?……朝?」
「はい!おはようございます!」
「……」まだ眠いわね。もう少し寝ていようかしら?
「姫様!早くしないと遅刻してしまいます!」
「……わかってるわよ」……それでも、私はもう一度目を閉じた。
「姫様!!」……すると、私の頭に衝撃が走った。
「痛っ!?????????」
「いつまで寝ているつもりですか!!!!!!」
「……あと5分だけ」
「ダメです!!!!!!!ほら、早くベッドから出てください!!!!!!」
「……わかったわよ……」……それから、1時間後。ようやく支度が完了したので、リビングに向かうことにした。
「あら?姫様。今日はずいぶん遅いですね」
「……」
……そういえば、いつもはアリスと一緒に登校しているのだったわね。すっかり忘れていたわ。
「姫様?」
「なんでもないわ。それよりも、今日の朝食は何かしらい?」
「はい。パンケーキを用意しております」
「ありがとう」
……その後、すぐに朝食を食べて、家を出発した。
「……」
……学校に着き教室に入ると、早速みんなに囲まれた。
「レイラ様!昨日のお休みはいかがでしたか?」
「どこかへ行かれたんですか?」
「お土産とかは買ってきたんですか?」
……ああ、こういう時は決まって面倒なことになるのよね。まったく……。
「悪いのだけれど、少し静かにしてくれるかしら?」
「あ……すみませんでした」
このぐらい言わないと、また騒ぐから大変だわ。でも、本当に何なのかしらね?どうして、私は嫌われているのかしら?私が何をしたというの?
「はぁ~」
「ため息を吐くと幸せが逃げていきますよ」
「アリス。別に構わないわよ。それよりも、あなたこそどうだったのかしら?」
「はい。特に問題ありませんよ」
「そう」
……今日も何も起こらないことを祈りましょうか。
「レイラさん!」
「何かしら?」
「最近、お休みが多いようですけど、どうかされたんですか?」
「いえ、ちょっと疲れが出ただけです」
「それなら、良いのですが……」
「心配してくれてありがとう」
「そ、それは、当然のことですよ!」……なんで、顔を赤らめながら言うのかしら?本当にわからない子ね。
「それより、今度の休日は何か予定はありますか?」
「いいえ、今のところは何もありませんよ」
「それでは、もし良ければ私とデートしていただけませんか?」
「デートですか?」
「はい!」……デートって、一体どういう意味かしら?そもそも、デートというのは男女で出かけることだったはずだし……。つまり、私に言っているのよね?……どうすればいいのかしら?アリスに相談するわけにもいかないだろうし……まあ、適当に対応しましょうか。「わかりました。考えておきますね」
「本当ですか!嬉しいです!」……とりあえずはこれで大丈夫かしらね?後は当日を待つだけだわ。……それにしても、本当に嫌な夢を見たものだわ。本当に、最悪ね。
「……今日は早く帰ろうかしら?」
……私にとって初めてのデート。
あれ???????
違うよ。もう繰り返さないって決めたじゃない。
もういいんだ。終わりにして。このループから抜け出そう。
はい、強制終了……。
「……何でもないわ」
「……」
……まさか、あなたと結ばれることができる夢を見るなんて言えないよね。
「それよりも、今日は何日かしら?」
「今日の日付ですか?」
「ええ」
「3月15日の日曜日です」
「……」
「姫様?」
「なんでもないわ」
「本当ですか?」
「ええ」
「そうですか。朝食の準備ができていますよ」
「わかったわ」
「早く着替えてきなさい」
「はーい」
……あれは本当に夢だったのかな?
「姫様。準備は終わりましたか?」
「あと少しで終わるわ」
「わかりました」
「ねえ、アリス」
「なんでしょうか?」
「私が寝ていた時、誰か来なかった?」
「いえ、誰も来てませんよ」
「そう……」
「どうかしましたか?」
「ううん。ただの確認よ」
「確認ですか?……それより、急いでくださいね」
「わかっているわ!」
……結局、誰が来たのかはわからないまま、その日が終わった。
「レイラ様!」
「何かしら?」
「実は、お話がありますので、生徒会室まで一緒に行きませんか?」
「ごめんなさい。この後、用事があるから、また今度でも良いかしら?」
「わかりました。それでは、失礼します」
「ええ、気をつけて帰ってね」
「はい!さようなら!」
彼女は一体、何を話したいのだろうか?まあ、いい。私には関係のないことだし……。それよりも、私は帰る準備をしなくては。
「アリス」
「はい。どうされましたか?」
「帰りましょう」
「かしこまりました」
……そして、私たちは帰路についた。
「ふぅ~」
「姫様。風呂に入っていますか?」
「ええ入っているけど……」
「しかし、長いことですが」
「入らない方が体が冷えてしまうわよ」
「はあ~……確かにそうかもしれませんね。冷えないうちに入ってくだざい」
「ええ、わかっているわ」
……本当は入りたくないけれど、仕方がないわよね。……それにしても、本当に嫌な夢を見たものだわ。
「姫様」
「なに?」
「やはり、お疲れなのではないのですか?」
「大丈夫よ。心配しないで」
「それなら、よろしいのですが……」
「そんなことより、明日は学校があるから、ちゃんと用意しておきなさい」
「はい。承知しております」……その日の夜はなかなか眠れずにいた。
……まあ、当たり前よね。あんな夢を見てしまえば、普通はそうなるわよね……。
「姫様!起きてください!」
「ん?……朝?」
「はい!おはようございます!」
「……」まだ眠いわね。もう少し寝ていようかしら?
「姫様!早くしないと遅刻してしまいます!」
「……わかってるわよ」……それでも、私はもう一度目を閉じた。
「姫様!!」……すると、私の頭に衝撃が走った。
「痛っ!?????????」
「いつまで寝ているつもりですか!!!!!!」
「……あと5分だけ」
「ダメです!!!!!!!ほら、早くベッドから出てください!!!!!!」
「……わかったわよ……」……それから、1時間後。ようやく支度が完了したので、リビングに向かうことにした。
「あら?姫様。今日はずいぶん遅いですね」
「……」
……そういえば、いつもはアリスと一緒に登校しているのだったわね。すっかり忘れていたわ。
「姫様?」
「なんでもないわ。それよりも、今日の朝食は何かしらい?」
「はい。パンケーキを用意しております」
「ありがとう」
……その後、すぐに朝食を食べて、家を出発した。
「……」
……学校に着き教室に入ると、早速みんなに囲まれた。
「レイラ様!昨日のお休みはいかがでしたか?」
「どこかへ行かれたんですか?」
「お土産とかは買ってきたんですか?」
……ああ、こういう時は決まって面倒なことになるのよね。まったく……。
「悪いのだけれど、少し静かにしてくれるかしら?」
「あ……すみませんでした」
このぐらい言わないと、また騒ぐから大変だわ。でも、本当に何なのかしらね?どうして、私は嫌われているのかしら?私が何をしたというの?
「はぁ~」
「ため息を吐くと幸せが逃げていきますよ」
「アリス。別に構わないわよ。それよりも、あなたこそどうだったのかしら?」
「はい。特に問題ありませんよ」
「そう」
……今日も何も起こらないことを祈りましょうか。
「レイラさん!」
「何かしら?」
「最近、お休みが多いようですけど、どうかされたんですか?」
「いえ、ちょっと疲れが出ただけです」
「それなら、良いのですが……」
「心配してくれてありがとう」
「そ、それは、当然のことですよ!」……なんで、顔を赤らめながら言うのかしら?本当にわからない子ね。
「それより、今度の休日は何か予定はありますか?」
「いいえ、今のところは何もありませんよ」
「それでは、もし良ければ私とデートしていただけませんか?」
「デートですか?」
「はい!」……デートって、一体どういう意味かしら?そもそも、デートというのは男女で出かけることだったはずだし……。つまり、私に言っているのよね?……どうすればいいのかしら?アリスに相談するわけにもいかないだろうし……まあ、適当に対応しましょうか。「わかりました。考えておきますね」
「本当ですか!嬉しいです!」……とりあえずはこれで大丈夫かしらね?後は当日を待つだけだわ。……それにしても、本当に嫌な夢を見たものだわ。本当に、最悪ね。
「……今日は早く帰ろうかしら?」
……私にとって初めてのデート。
あれ???????
違うよ。もう繰り返さないって決めたじゃない。
もういいんだ。終わりにして。このループから抜け出そう。
はい、強制終了……。
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