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婚約破棄

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「婚約破棄する!!!」

「ああ、そうですか。でも、わざわざ婚約破棄するということは……覚悟はできているんですね???」

「覚悟だって???いったい、何の話だね?」

「決まってるじゃないですか……ですから、私があなたを追放しても構わないんですよね???」

「追放だって???君はいったい、何を言っているのかね???この私を追放するって……君に出来るわけないじゃないか!!!」

「いいえ、そんなことはありませんのよ。さあ、皇帝陛下。どうぞ、お入りくださいませ!!!」

「皇帝陛下だって?お父様がどうしてこちらに……」

「失礼いたします……」

「おい、こいつはお父様じゃないぞ!!!」

「当たり前じゃないですか。何を分かり切ったことを……」

「だったら、皇帝陛下のわけないだろう!!!」

「あら?私は別に、本国の皇帝陛下とは一言も言っておりませんよ???」

「じゃあ、どこの皇帝陛下なんだよ???」

「はい、隣国の皇帝陛下でございます!!!」

「隣国???隣国って……まさか!!!」

「はい、そのまさかでございます。私ね、あなた様がそのうち婚約破棄するんじゃないかって思って、新しい婚約者をこっそり探していたんですよ。そしたらね、たまたまお忍びでいらしていた隣国の皇帝陛下が、私のことを好きって言ってくださって、そのまま婚約することになったんですよ!!!」

「なんだ……そのぶっとんだ話は……」

「まあ、とにかく。私は隣国の皇帝陛下と婚約しますので……ああ、王子様?私の申し上げていることが分かりますよね?もしも、私の命令に逆らったらそのときは……皇帝陛下???」

「はい、かしこまりました……」

「おいおい、まさか……」

「その、まさかでございます……」

「これでお分かりでしょう???あなたはもう何も口出しできないのですよ???」


令嬢の大勝利……と言えるのかは分からないが、王子はもう言い返すことができなかった。

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