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「私は……愛されていないんでしょうか???」

エクアがふと話した。

「そんなことはないはずだ!!!シュード様はお前と婚約することになっている……これはもう決まっていることなんだ!!!」

父親は必死にフォローする。当り前のことだ。彼は自分のことしか考えていない。娘の幸せとか、そういうことには興味がないのだ。

「シュード様……私の娘エクアに愛を伝えてください。いまさら……婚約しないなんて、そんな馬鹿な話はないですよね???」

「ああっ……」

「シュード様!!!」

「ほらほら、言えないじゃないですか!!!」

スーグラ様はこの状況を楽しんでいるようだった。私にとっては都合のいい世界なのか???そんなことを考えながら、ことの成生を見守ることにした。現状で私が口出しすることはできないのだから。

「さあ、どうするんですか。この婚約は……エクアさんとお兄様との間なのですよ。さあ、早く婚約を宣言してご覧なさい!!!」

動揺するシュード様……その口からエクアの名はなかなか出てこないのだった。

「どうする……さあ、どうするんだ???」


「私は……メリーさんの横顔が好きだった……」

このカミングアウトは、私を、そしてエクアと両親、会場に居合わせた人間たちを混沌に貶めたのだった。

「私は、メリーさんともっと近づきたかった。その美しさに触れることさえ許されない孤高の天使……あなたがいつも一人でいることを知っていた。だからこそ、余計に美しさが引き立つということだったんだ……」

シュード様は言った。私は……こんなことを言われてしまって、少し恥ずかしくなった。でもね、うすうす気が付いてはいたのだが……やっぱり、彼は私のことを愛してくれているんだ。それを聞いて、心の奥底でなんとなくうれしくなったのだ。
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