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スーグラ様はそれから頻繁に顔を見せるようになった。私のことを気遣っているのか、それとも本当に興味を持っているのか、最初は分からなかった。

「授業が終わって暇だったから菓子を作ってみたんだ……」

彼はどうやら料理が上手かった。

「これ、本当にあなた様が御作りになったんですか???」

女子力の高さに驚愕……まあ、私も一通りの料理はできるのだが、彼のそれはけた違いだった。

「そうだ。昔からの趣味なんだ」

彼の料理はどれも美味しかった。私が笑みを浮かべているので、彼はもっとたくさんの料理を作るようになった。

「本当に上手ですね」

「そう言ってくれると、私もありがたいよ」

食欲が充たされて幸福も満たされていく……その内に私たちの関係も深まった。そして、いよいよ両親から婚約の話が出た時、私はこれから自由になれると思った。


****************************************************


私とスーザン様の婚約に先立って、宮中では第一王子シュード様とエクアの婚約式が執り行われることとなった。私は正直興味なかったが、妹としてエクアの最後の晴れ舞台を拝んでやってもいいと思った。両親はとにかく、彼女の婚約が上手くいくことだけを切に祈っていたわけで、実にいい結果となったのだ。

「エクア……随分と綺麗になったなあっ……」

両親は純白のドレスに身を包んだエクアを称賛した。実際のところ、ドレスを着飾ってもあまり華やかではなかった。彼女はいつでもどこでも、やはり地味なのだ。逆に言えば、私の衣装は本当に地味なのだが、それでも周囲の視線を集めることになったのだ。

「あちらにいらっしゃるのは……妹様でしょうか???」

「ええ、きっとそうですわ。メリー様でしょう」

「美しいお方……」

私の噂話がひそひそと広まっているのを察した両親が急遽、私のことを蹴飛ばした。

「お前はどこまで恥さらしなんだ!!!」

だから……どうして私は悪者なんだろう。何か悪いことをしたんだろうか???

恥さらしなのは……あなたたちの方じゃないのか???

そんな疑問を抱きながら……仲裁に入ったのは第一王子のシュード様だった。
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