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婚約破棄?
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婚約破棄……その予兆がある。
私の婚約者である王子様が、とっくに私に何か愛想をつかして、他の女と逢瀬を繰り返していることなんて、私は最初から分かっているのだ。
私も一応公爵令嬢なのだ。プライドは人一倍高い(つもりだ)。
だから……王子様から婚約破棄を切り出される前に、私は逃げようと思った。
旅の準備を始め、おおよそ半分くらいの準備が済んだあたりで、王子様が私の部屋に入って来た。
私は慌ててしまった。そんな私の姿を見た王子様は首を傾げて、
「サーニャ???一体、どうしたんだ???驚いた顔して???」
「えっ……いいえ、王子様が私の部屋にいらっしゃるのが随分久しぶりだと思いまして……」
「そうか???そんなことないだろう。昨日だって、こうして会いに来たじゃないか???」
おかしい……私の記憶に王子様は一切登場しない。王子様は私と一度も顔を合わさず、そして、交わることもない。永遠に平行線をたどるしかないのだ……と思っていた。本当に。
「サーニャ……君は何を……」
「触らないで!!!!!」
私は思わず叫んでしまった。
「その不潔な手で、私に触らないで!!!!!」
本音を全て吐き捨てて……私は今日も王子様の前から消えた。
「一体どうしたのだろうか???私が何か間違えただろうか???」
間違っているのは私の方だった。
今頃……王子様は私のことを探しているのだろうか????
それとも……あの女との逢瀬を楽しんでいるのか????
まあ、どっちでもいいか。
本当に……私には関係ないのだから……。
王子様、あなたは本当に私を愛しているのですか???
私の婚約者である王子様が、とっくに私に何か愛想をつかして、他の女と逢瀬を繰り返していることなんて、私は最初から分かっているのだ。
私も一応公爵令嬢なのだ。プライドは人一倍高い(つもりだ)。
だから……王子様から婚約破棄を切り出される前に、私は逃げようと思った。
旅の準備を始め、おおよそ半分くらいの準備が済んだあたりで、王子様が私の部屋に入って来た。
私は慌ててしまった。そんな私の姿を見た王子様は首を傾げて、
「サーニャ???一体、どうしたんだ???驚いた顔して???」
「えっ……いいえ、王子様が私の部屋にいらっしゃるのが随分久しぶりだと思いまして……」
「そうか???そんなことないだろう。昨日だって、こうして会いに来たじゃないか???」
おかしい……私の記憶に王子様は一切登場しない。王子様は私と一度も顔を合わさず、そして、交わることもない。永遠に平行線をたどるしかないのだ……と思っていた。本当に。
「サーニャ……君は何を……」
「触らないで!!!!!」
私は思わず叫んでしまった。
「その不潔な手で、私に触らないで!!!!!」
本音を全て吐き捨てて……私は今日も王子様の前から消えた。
「一体どうしたのだろうか???私が何か間違えただろうか???」
間違っているのは私の方だった。
今頃……王子様は私のことを探しているのだろうか????
それとも……あの女との逢瀬を楽しんでいるのか????
まあ、どっちでもいいか。
本当に……私には関係ないのだから……。
王子様、あなたは本当に私を愛しているのですか???
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