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その1

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侯爵令嬢エリーゼの執事ファーレンハイトがその名をはせるようになったのは、何よりもエリーゼの不運を救ったことが一番大きいと思う。

「エリーゼ様。何度言ったらわかるのですか!!!」

「ファーレンハイト、そんなに怒らないでよ。あなただって、私がこれだけ誉高いのはいいことでしょうよ」

「そんなことを言われてもダメなものはだめです!!!どんな結果になるか……いうまでもないでしょう!!!」

「そうなの???でもね、あのお方がわざわざ私をお呼び出しになるってことは、何か深いわけがあるんじゃないかしら???ねえ、ファーレンハイト。そう考えるほうが普通じゃないかしら???」

「だから、それが罠なんですって!!!もう……何回説明してもわからないでしょうか……ああ、もうエリーゼ様のお好きになさればよろしい!!!」

「ちょっと……どうしてそんなに冷たいのよ。おかしいでしょう???ねえ、だって、あのお方は私を屋敷に呼んでくださったんですよ???」

「はいはい、私は何も聞いておりません…………」

「ねえ、どうしてそんな態度なのさ!!!やめなさいよ。あれ……もしかして、嫉妬してる???」

「いいえ、だんじて」

「ああ、なんだかそう言われてしまうと、かえって寂しいわ…………」

「私は何も気にしておりませんから……」

「本当に???」

「ええ、本当に。さあ、どうぞ、お行きなさい……」

エリーゼが呼ばれたパーティーというのは、つまり、エリーゼのあこがれの対象である侯爵主催だったわけで、まあ、エリーゼにしてみれば、非常に興味のある催しだったわけだ。だがしかし……それはファーレンハイトの言う通り、何か深い罠があったのかも???
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