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これだけのことをしでかしたのに、何もお咎めなく終わってしまったロンメル公爵、その婚約者として広く認知されていたマリアは、格好の餌食となった。
「見てみて、あそこにいるのはマリア様じゃない???」
「本当だ。間違いなくマリア様よ!!!」
「すごく不機嫌そうな顔をしている、大変なのかしら???」
「まあ、そうでしょうね」
「ふーん。そうなんだ」
マイナスな噂を流されると、マリアはこれが初めての体験だったわけで、非常に苛立った。でもまあ、実際のところロンメル公爵はそれだけ大きな事件を犯したことになる。仕方のないことだった。
「ああ、どうしましょう!!!」
何をどうすればいいのか、すっかりわからなくなってしまったマリア……その目の前には時々私がいた。もちろん、マリアは私のことなんて何も考えていないから、そのままスルーするのだった。まあ、実際のところ、現状で私のことをスルーするなんてできなかったはずなんだけど。
「マリア、どこに行くのかしら???」
私は気になったので、とりあえず質問してみた。
「私は、どこにも行きませんわ」
「最近、ロンメル公爵はどんな感じなのかしら???」
「さああっ……どんな感じでしょうかね???」
「あなたが知らないわけないでしょう。ねえ、はぐらかす必要があるのかしら???」
私は別に興味本位で糾弾しているわけではなかった。それよりも……もっと深い事情があったのだ。
というか、あれほどの扱いを受けたんだから、そろそろ私にも出番が回ってくるんじゃないかしら???そんなことをこっそり期待しながら。
「見てみて、あそこにいるのはマリア様じゃない???」
「本当だ。間違いなくマリア様よ!!!」
「すごく不機嫌そうな顔をしている、大変なのかしら???」
「まあ、そうでしょうね」
「ふーん。そうなんだ」
マイナスな噂を流されると、マリアはこれが初めての体験だったわけで、非常に苛立った。でもまあ、実際のところロンメル公爵はそれだけ大きな事件を犯したことになる。仕方のないことだった。
「ああ、どうしましょう!!!」
何をどうすればいいのか、すっかりわからなくなってしまったマリア……その目の前には時々私がいた。もちろん、マリアは私のことなんて何も考えていないから、そのままスルーするのだった。まあ、実際のところ、現状で私のことをスルーするなんてできなかったはずなんだけど。
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