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その8

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「いやいや、お待たせいたしましたね。ようやくここに来ることができました」

そう言って、王子様は私のそばに寄ってきました。そして私のことを抱きしめようとしました。私は驚いて、王子様から距離をとってしまいました。ですが、今思い返せば、そのような必要はなかったのかもしれません。

「そんなに緊張する必要はありませんよ。どうぞ、私のことを頼ってくださいな」

王子様そう言って、私の緊張を紛らわそうとしているようでした。

「ありがとうございます。私にとっても、非常に嬉しいことだと思います。ですが、このまま王子様が独断で決める事はいかがなものかと私は思うのでございますが。大丈夫でしょうか????」

「心配には及びませんよ。私にすべての決定権があるわけですから。とにかく、安心してくださいな!!!」

王子様はそう言いました。でも、私には少し不安が残るわけでございました。
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