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王子様

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いたって冷静、いたって冷静……。そうです。私はいたって冷静なのです。

「待ちなさい。君は何か間違いをしているようなのだが???」

「間違いですって???王子様、私は何も間違ってなんかいませんよ。それは……王子様のほうじゃないんですか???」

「…………そんなことはないはずだが???」

「あらあら、王子様。嘘をつくのはよくありませんねえ……。ではどうして、私と別れようとしたのでしょうか」

「それは……君のことがあまりにも怖くて……」

「あらあら……そんなことを言ってしまうのですか???」

「だって……ほら、君はいまにも私のことを殺そうとしているじゃないか!!!」

「殺すですって???そんなわけないでしょう!!!」

「いや、でもこうやってほら、私の顔を踏みつぶそうと……」

「ええ、それは別にまずいことじゃないでしょう???」

ああ、やっぱりこいつはまずい……王子様はそう思ったはず。

「そういう趣味なのか???」

「いいえ、別にそういうわけではないですよ。ただね、なんとなくです」

「意味わからないし!」

「まあまあ、そんなことはおっしゃらずに!!!」

「いや、よくないから!!!そんなの、本当にまずいから!!!」

「ああ、本当に物わかりの悪いお方ですね!!!ああ、頭に来ちゃうわ!!」

令嬢は暴走(?)し続けるのだが、王子様というのもまた、少し特殊な生き物であり、あながち令嬢を嫌がっていないご様子。さあ、どうしてこんなことになっているのやら……???

「さて、これ以上議論しても意味がないようですから。もうやめにしましょうか???それでは、さようなら」

「おいおい、ちょっと待ったあああああああああっ!!!」

「待ちません」

令嬢は王子様を愛しているの???

そんなのも、結局はいまいちわからない世界。



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