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その13

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私はすぐさま娘と男のところに駆け寄りました。

「お止めなさいよ!!!!!!!!」

私は無意識のうちに叫んでおりました。どうしてだか……他人の面倒事に口をはさむと、帰って自分が面倒になることは最初から分かっておりました。でも、このまま見過ごすことはできませんでした。

「お助け下さいまし!!!!!!!」

ああ、幼気な娘が男に侵されるなんて……そうです、こんな世界を簡単に壊せるのだとしたら、いっそのこと壊してしまえばいいと思いました。

よく見ますと、男は軍人のようでした。正装の側面には、我が国の紋章がしっかりと刻まれておりましたから。

軍人だとすれば……余計に許すことはできないと思いました。

「あなた……我が国の軍人として、恥ずかしくはないのかしら??????」

もうとっくに故郷を捨てる決意をしたわけではございますが、思わず我が国と言ってしまいました。

「おっと……お嬢さん?????いくら、国が同じだからって、一般庶民が軍人に逆らうとは……随分と良い度胸をしているね???????」

私はもはや、怒りを抑えることができませんでした。なので、パスポートを思わず見せびらかしてしまいました。

すると……当然のことですが、軍人は慌てました。まあ、私は元々庶民ではありませんからね。

「公爵令嬢アンナが命じます。今すぐ、この娘の元を去りなさい!!!!!!!」

私がこう命令すると、男は一目散に逃げていきました。

それを確認して、私はすぐさま娘の元に駆けよりました。まあ、なんて美しい姿なのでしょうか。アリシアと比べても問題ないレベルの美しさでした。

「大丈夫ですか?????迷惑をかけて申し訳なかったですね」

別に、私が謝る必要なんてなかったのでしょうが……なんとなく雰囲気に流されました。

「あああっ……ありがとうございました!!!!!!」

「ええ、大丈夫?????けがはない??????」

娘は何も答えることなく、ぼっーと私の顔を見ていました。

「お美しいですわ!!!!!!」

娘は私の顔を見てこう言いました。いや、あなたの方が100倍は美しいと思いながら、私は

「ありがとう」

と短く答えました。
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