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その12

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「この石は???????」

「ああ、お前さんの運命を変える……かは分からないが、まあ面白いからとっておきなさい。私からの土産だ」

「ありがとうございます」

私は一礼して再び歩き出しました。

しばらくして振り返ると、そこにいたはずの老人の姿は、もうどこにもありませんでした。

ひょっとして……あの老人は神様だったのでしょうか?????

私は妄想を広げました。まさか……そんなバカな話があるのか……でも、単なる行き倒れの老人には見えませんでした。それに……この輝石……この輝石を持っていれば、私は絶大なる力を発揮することができるのか……なんてことを考えてみました。いいえ、それだと全部ファンタジーになってしまいますからね。この世界は現実なのですから、そう言う話はないのでしょう。とにかく、私は旅を続けることにしました。

東の空が少しずつ赤らんできました。気が付くと、私は夜通し歩いておりました。でも、不思議なことに、私は全く疲れておりませんでした。むしろ、まだまだ歩けると思えるくらいでした。

喉が渇くことも、そして、腹がへることもありませんでした。ああ、なんとも不思議なことだと思いました。ひょっとして……これはあの老人が授けてくれた輝石のおかげなのか……そんなことを、ひっそりと考えているわけでございました。

そんな感じで歩き続けていると、国境の大河を下る水しぶきの音色が微かに聞こえるようになりました。

「もう、こんなところまで歩いてきたのか……間もなく国境ね」

その時、小さな娘っぽい声が静かなる森の果てまで届きそうなくらいに、響き渡りました。

「おやめください!!!!!!!!!」

それに続いて、野太い男の声が混ざりました。

「いいじゃないか!!!!!!!ほら、金はたんまりやるから!!!!!!!」

「いやあああああ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」

私はすぐさま現場に急行しました。
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