怠惰

なたね

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さあん

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さて、今度は学校でも同級生の二人程度にしか話していないことを書くか。

私はスーパーマーケットでレジの仕事をしている。初めてから約三か月後にとある害客が現れた話をしよう。
それは一番忙しい時間帯である夕方、学校帰りにバイトに行った日。よく覚えている。私は怠惰ではあるがお金の欲には勝てなかったようで、ついに初バイトへと至った。

あの客は初めから少しおかしかった。このご時世なのに持ってきた袋に入れろと置いた。
「ウ〇ルスの関係で私共では入れることができません」
と言うと不機嫌そうに通し終わったかごの方へ二歩程度歩いた。

「これにポイントつけてスイカで払う」
「かしこまりました」

クレジットカードを受け取りポイントを付けて、

「お支払いはこちらのカードのスイカでお間違いないでしょうか?」
よくクレジットカードについているスイカではなく、別にもっている方の、スイカ専用の緑のあのカードで支払う客が多いので念のために聞いた。

「は?」
聞こえなかったのかそう言われた。
もう一度同じような質問をした。すると

「そのカードにスイカがついてんの!なんでわからないんだ」
もごもごしてたので明確に何と言ったのかはわからないが、そんな趣旨のことを言われた。こいつこそ私がなんといったのか理解していないではないか。

私はさっさとこの客の対応を終わらせようと思った。
カードをかざしている間も何か言っていたが、やはりもごもごしてよく聞こえなかった。機嫌が悪いことくらいしかわからなかった。

「おまたせしました。こちらがレシートでございます」
余談だが、「レシートのお返しでございます」は間違いである。よく言うひとが多いが、マナー本にも載っているほど有名な間違いなので知らなかった読者の方は覚えておくとよい。

話に戻るが、レシートを渡すとそのまま去っていくかと思えば、私をにらみながら乱暴にレシートを投げつけられた。何も言わないのは間が悪いと思い、「申し訳ございません」と付け加えた。そうしてやっと去っていった。
そのまま数人のお客さんを接客したが、ついに泣くことが我慢できなくなり、周りのレジに「お腹が痛い」と伝えてサービスカウンターへ駆け込み、泣いてしまった。そのあとはバックヤードへ行ったがさらに我慢が出来なくなり、過呼吸になった。

なぜ自分が泣いたのか、過呼吸になったのかわからない。今までにも機嫌が悪い客なんてたくさんいたが、その日は耐えられなかった。すでにこの出来事から数日経っているが、思い出してもなぜなのかわからない。出てくる感情は怒りなのである。
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