今から婚約者に会いに行きます。〜私は運命の相手ではないから

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再会

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 トリスタンとの久しぶりの再会はなんだか、よそよそしさを感じた。
 というのも。
 トリスタンの肩に糸くずが乗っているのが見えて、私は手を伸ばした。

「トリスタン」

 手が肩に乗る寸前にトリスタンは咄嗟にだろうか、私の手から逃れるように避けのだ。
 こんな事一度もなかった。
 
「……あ、何?」

 トリスタンは一瞬だけ気まずそうな顔をして、何もなかったかのように問いかけてきた。
 
「か、肩に糸くずが乗ってたから」
「あ、そう。わかった」

 トリスタンは、私と目も合わさずに頷いて糸くずを取った。
 ずっとこんな感じで、いつもよそよそしいのだ。
 そういえば、目が合う事もかなり少なくなった気がする。
 いや、目が合うとトリスタンは逸らすのだ。
 それが、少しだけ拒絶されているような気分になる。

 どこか心の距離を感じながら、トリスタンの帰省は終わった。

 トリスタンが王立学園へと旅立つのを見送ると、私はまたいつもの日常に戻った。
 ケンダルもすくすくと大きくなっていき、兄のロータスの面影を感じるようになった。

「この子、ロータスに似てきたわね。王立学園に行って困らないといいけど。あそこは、誘惑が多いから」

 クロエがポツリとつぶやいた。
 ロータスは、王立学園で複数の女子に言い寄られて大変だったと話していた。
 そして、運命の相手でもあるクロエと出会ったのだ。
 ケンダルもいつかそうなるのかもしれない。
 それが、なぜかわからないけれど、頭の中にこびりつくように残った。

 トリスタンからの手紙とプレゼントは変わらず続いていて、赤か黒のリボンや小物が多かった。

「……やっぱり、お嬢様に似合いませんね」

 送られてきた真っ赤なリボンを頭に当てながら、サナが苦笑いでつぶやいた。
 そういえば、いつもプレゼントは赤か黒ばかりだ。
 
「何でいつも、赤か黒ばかり送ってくるのかしら?」
「それは……、お嬢様が大好きだからですよ。トリスタン様の髪の毛と瞳の色は?」

 言われてみればその通りだ。
 それを聞いて少しだけ安堵した。なぜかわからないけれど、よそよそしい態度を取られたから少し距離を感じてしまったせいかもしれない。
 
「あっ!なるほど」

 そう言われて、私は途端に元気になった。
 
「はあ、若いっていいわね」

 サナが微笑ましいものを見て微笑む。
 彼女は私とさほど年齢が変わらないのに。
 やはり、二つ年上というだけで全然違うのかもしれない。

「もう、サナったら!貴女、まだ16才でしょう?何言ってるのよ」

 私がサナの肩を叩くとなぜか慌て出した。

「オホホホ、そうでしたわ」

 そういえば、私はサナと出会った時よりも背が伸びたし少しだけ大人の体つきになったのに、彼女はあまり変わってなかった。
 何かあるのだろうか。
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