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レオン2
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初めて彼女に会った日を私は一生忘れないだろう。
「初めまして、私の婚約者殿」
彼女は私の顔を見ると頬を赤く染めて、はにかんだ。
見るからに大人しそうな婚約者に、私は胸を撫で下ろす。面倒なくらい気難しい少女ではなくてよかった。
これなら、条件を飲んでくれるかもしれない。私は彼女の見た目にすっかり騙されていたのだ。
「サラです」
「よろしくサラ。私はレオンと呼んでくれ」
「レオン様」
私の名前を呼ぶサラはとても愛らしくて、好感を持てた。しかし、彼女は番ではない。
「君は私の番ではないけれど、大切にしたい」
私なりの精一杯の誠意を言葉にして、サラの掌に口づけを落とした。
やはり、番というものの存在は、私にとっては至高で憧れの存在だったのだ。
億万長者の彼女を捨ててもいいと思えるくらいに。
もしも、私に番が現れたら婚約を解消してほしい。
そう、願いを口にしようとした。
「たかが、番という存在に目移りするのですか?」
たかが番?!
私はサラの言葉に絶句した。何を言っているんだこの女は、思わず怒鳴りつけようとしたが、それは出来なかった。
「番などに目移りするような男は、二度と女など抱けない身体になるべきです」
静かに淡々と話すけれど、彼女から漂うオーラはこの世の混沌を全て煮詰めたような禍々しいものだった。
怖い。ちびりそうだ。
「具体的に言いましょうか?引きちぎって。握り潰してやります」
「ひいっ」
思わず想像して、股間に手を当てる。大丈夫。潰れてはいない。
けれど、彼女の気迫ならば、潰れていてもおかしくはない。
たとえるなら、怒れる。暗黒のドラゴン。
みるみる室温が下がっていくのを感じながら、私は身の危険を感じていた。
きっと、番に目移りしたら潰された後に、間違いなく殺される。
「サラ。落ち着いてくれ、その、私は番などに目移りなんてしない」
落ち着けようと、口から出まかせを言うと、サラはニッコリと笑った。
しかし、その笑顔は貼り付けられた物で心にも無いもののように思えた。
表面上の笑顔って怖い。
「そうですか?本当に?本気で?」
畳み掛けるような質問。部屋の壁にパシリと亀裂が走るのが見えた。
この建物大丈夫か?
こ、殺される。
「本当だ!絶対に目移りなどしないと誓う!」
私がヤケクソで言うと、ようやく信じてくれたのか、サラは「良かった」とへにゃりと笑ったのだ。
笑った顔はまさに阿修羅だ。
それを見て言い知れない恐怖を感じていた。
彼女の持つオーラは、人間の持つ物ではない。どう見ても獣人よりも上位の存在だ。
彼女は人なのだろうか?
「初めまして、私の婚約者殿」
彼女は私の顔を見ると頬を赤く染めて、はにかんだ。
見るからに大人しそうな婚約者に、私は胸を撫で下ろす。面倒なくらい気難しい少女ではなくてよかった。
これなら、条件を飲んでくれるかもしれない。私は彼女の見た目にすっかり騙されていたのだ。
「サラです」
「よろしくサラ。私はレオンと呼んでくれ」
「レオン様」
私の名前を呼ぶサラはとても愛らしくて、好感を持てた。しかし、彼女は番ではない。
「君は私の番ではないけれど、大切にしたい」
私なりの精一杯の誠意を言葉にして、サラの掌に口づけを落とした。
やはり、番というものの存在は、私にとっては至高で憧れの存在だったのだ。
億万長者の彼女を捨ててもいいと思えるくらいに。
もしも、私に番が現れたら婚約を解消してほしい。
そう、願いを口にしようとした。
「たかが、番という存在に目移りするのですか?」
たかが番?!
私はサラの言葉に絶句した。何を言っているんだこの女は、思わず怒鳴りつけようとしたが、それは出来なかった。
「番などに目移りするような男は、二度と女など抱けない身体になるべきです」
静かに淡々と話すけれど、彼女から漂うオーラはこの世の混沌を全て煮詰めたような禍々しいものだった。
怖い。ちびりそうだ。
「具体的に言いましょうか?引きちぎって。握り潰してやります」
「ひいっ」
思わず想像して、股間に手を当てる。大丈夫。潰れてはいない。
けれど、彼女の気迫ならば、潰れていてもおかしくはない。
たとえるなら、怒れる。暗黒のドラゴン。
みるみる室温が下がっていくのを感じながら、私は身の危険を感じていた。
きっと、番に目移りしたら潰された後に、間違いなく殺される。
「サラ。落ち着いてくれ、その、私は番などに目移りなんてしない」
落ち着けようと、口から出まかせを言うと、サラはニッコリと笑った。
しかし、その笑顔は貼り付けられた物で心にも無いもののように思えた。
表面上の笑顔って怖い。
「そうですか?本当に?本気で?」
畳み掛けるような質問。部屋の壁にパシリと亀裂が走るのが見えた。
この建物大丈夫か?
こ、殺される。
「本当だ!絶対に目移りなどしないと誓う!」
私がヤケクソで言うと、ようやく信じてくれたのか、サラは「良かった」とへにゃりと笑ったのだ。
笑った顔はまさに阿修羅だ。
それを見て言い知れない恐怖を感じていた。
彼女の持つオーラは、人間の持つ物ではない。どう見ても獣人よりも上位の存在だ。
彼女は人なのだろうか?
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